施設に入所している79歳女性が、先々週全身浮腫で施設嘱託医の紹介で受診した。低蛋白血症があり、蛋白尿が出ているが、ネフローゼというほどではなかった。便は不消化の傾向があり、軟便が続くという。消化管の吸収不良による症状のようだが、今どき便中蛋白の測定はしないから確定はできない。ラシックスが処方されていて低カリウム血症になっていた。
数年前からこのような患者さんには、胃腸薬の組み合わせを処方して案外いい結果を得ている。ウルソとミヤBM(整腸剤ならなんでもいい)とエクセラーゼ顆粒(消火剤ならなんでもいい)だ。今回もこの処方で2週間経過をみたところ、まだ低いもののアルブミンは0.5上昇していた。胸水も減少して、全身の浮腫はからり改善していた。個々の薬は何ということもないが、この組合せが何故かいい。
昨日の日中に救急搬入された老衰の95歳女性は夜間に亡くなり、当直の大学から応援の内科医が看取ってくれた。内科病棟では他の科の患者さんも2名亡くなって、当直医は一晩で3名看取った。今朝その先生に会うと、悪い流れですかねと言っていた。いえいえ、お疲れ様でした。
昨日の休日は日直をしていて、70歳台後半の男性が心肺停止になっていると救急隊から連絡が入った。すでに冷たくなりかけていて、硬直もしてきているという。20年近く前に肺癌で手術と放射線治療を受けていたが、それは治癒している。。その後はCOPDと高血圧症で内科クりニックから処方を受けていた。数日前から咳痰があったが、病院に行くのを嫌がっていたという。家族が出かけて2時間後に戻って気づいた。心肺蘇生は家族も希望せず、病院で死亡確認だけお願いしたいということだった。AIとして頭部CTと胸腹部CTを施行した。頭部は脳萎縮だけで、脳出血やくも膜下出血はなかった。脳梗塞もない。両側肺に肺炎の陰影が広がっていた。かぜをひいただけではなくて、両側肺炎を併発していたのだった。