学会に行く前に購入した「jmed28 侮れない肺炎に立ち向かう31の方法」を読み始めた。編集は山本舜悟先生。画像検査のところは自身ブログが書籍化された蔵原優先生が書いていて、全体的に若い先生方が執筆しているそうだ。
日本呼吸器学会が肺炎のガイドラインを出しているが、あれだけでは診療するのに実感としてわからない。実際の症例集を出してもらえば、もっとわかりやすくなるのだろうが、どの抗菌薬を使ったか記載するのは、製薬メーカーと密接な関係のある学会だけにやりにくいだろう。
当院での市中肺炎の治療は、ほとんどセフトリアキソンを使用している。誤嚥性肺炎で軽症から中等症までは、ほとんどユナシンを使用している。非定型肺炎もカバーする時はジスロマック経口かミノサイクリン点滴静注の併用だ。
呼吸器科医がいないので、できるだけ見逃しや鑑別のことを考慮して、原則として胸部CTを必ず撮ることにしている。心不全との鑑別でBNPも必ず提出して、肺炎球菌とレジオネラの尿中抗原も必ず出す(高齢者が多いのでマイコプラズマ迅速はあまり出ない)。可能な限り喀痰培養を提出していて、寝たきりの高齢者では吸引で出してる。重症では血液培養もできるだけ出すようにしている。ちょっとでも結核が疑わしい時は抗酸菌塗抹も行う。。CTの読影は放射線科医がいるので、レポートを待たずに直接聞きに行く。要するに、院内でできる検査は全部行うことにしている。