統合失調症で精神科病院に通院している32歳女性が2日前の夜に喘息発作で救急外来を受診した。べネトリンの吸入とネオフィリン・デカドロンの点滴で軽快して帰宅した。今日内科外来に来たが、夜間の症状がとれないという。喘息発作として入院治療とした。夜間に受診した時は詳しく聞いていなかったが、喫煙者だった。タバコを1日15本吸っていた。精神科では喫煙に甘い。精神的に落ち着けばいいということで、黙認していることが多いようだ。
少し古い看護師さんたちは、この患者さんの十代のころを知っていて、リストカットでよく来ていたという。精神科病院の処方を見せてもらうと、10種類以上の薬が出ていた。少なくとも6回の入院歴があるが、この1年間は入院していない。聴診で喘鳴がわからないのに、その後急に耳でも喘鳴が聞こえるようになったりするのてが良くわからない。前にvocal cord dysfunctionを疑った中年女性がいたが、この方は聴診で喘鳴が両側肺野に聞こえるので、基本的に喘息で間違いない。心因性の要素が大きいということかもしれない。