なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腎膿瘍

2013年11月11日 | Weblog

 86歳女性が食欲不振・倦怠感で受診した。循環器科に高血圧・うっ血性心不全・難治性不整脈で通院している。検査で炎症反応上昇(白血球数12000、CRP12)があった。胸部X線で肺炎はなかった。尿は少量しか出なかったが、混濁していた。胸腹部CTで見ると、右腎臓上極に腫瘤があった。腎細胞癌かとも思われたが、腹部エコーでは血流がなく、内容は低エコーでCTで見るよりも膿瘍のようだった。右腎自体が腫大していて、周囲の脂肪織に炎症像があった。造影CTで見るともっとわかるのだろうが、数日の食欲不振で脱水症になっている可能性があり、今日はやめた。 泌尿器科医に相談したが、まずは保存的に抗菌薬で経過をみることになった。

 一昨日に心窩部不快感で発症して、その後右下腹部痛が続いたと73歳男性が受診した。炎症反応上昇(白血球数12000、CRP5)があり、急性虫垂炎と思われた。鑑別として結腸憩室炎があるが、診断は虫垂炎寄りだった。腹部造影CTで見ると、上行結腸近位部に憩室が数個あり、そのうち1個が腫大して周囲の脂肪織に炎症像があった。虫垂は正常だった。結腸憩室炎として入院治療となった。

 今日はアストラゼネカのTVシンポジウムに林寛之先生が出演するので、中継のある支店に行った。やはり林先生の講義は面白くてためになる。ケアネットのDVDと著書で復習することにした。

 

  

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