なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性肝炎?

2013年11月22日 | Weblog

 74歳男性が発熱があって動けなくなり、救急搬入された。救急当番の女性外科医から連絡が来た。返答はするが、住所や自宅の電話番号を言えなかった。意識障害があるのかと思ったが、慢性硬膜下出血で手術した既往があり、奥さんに言わせるとふだんと同じということだった。右下肢の動きも少し悪かったという。頭部CT、さらにMRIもとったが、脳萎縮と陳旧性のラクナ梗塞のみだった。

 肺炎はなく、尿路感染症もない(前立腺炎もなさそう)。肝機能障害があり、AST・ALTが600だった。HBs抗原とHCV抗体は陰性だった。ウイルス性肝炎を疑って、IgM-HA抗体も提出した。腹部エコーでは胆道系に問題なかった。肝臓はそれほど腫大していないが、肝裏面が鈍かもしれない。細菌感染症としてのfocusがない。血液培養が2セット提出されていた。心内膜炎の所見は見える範囲ではない。

 インフルエンザ迅速試験(陰性)、一昨日下痢していたというので便培養提出(今日はしてないし、腹痛もない)、レジオネラ尿中抗原など、何だか提出できる検査を、次々に出してしまったが、決め手はない。急性肝炎疑い(あるとすればA型肝炎)として入院で経過をみることになった。

 昨夜、97歳女性の肺炎が救急搬入された。近くの基幹病院に連絡したが、断られて当院搬入となった。確かに施設入所中の認知症の97歳は入院させたくないのだろうと思われた。搬入時は酸素10L/分でも酸素飽和度が上がらなかったが、今朝は3L/分で飽和度が正常域にになっていた。モニター心電図でST上昇があり、12誘導心電図で確認すると、Ⅱ・Ⅲ・AVFとV4-6でST上昇があった。心筋梗塞なのか、著明な低酸素による心筋障害というべきか。いずれにしても心カテの適応もないので、肺炎の治療で経過をみるしかない。昨夜は、この患者さんとめまいで他院通院中の中年女性が救急搬入されて、入院となった。当直は整形外科の若い先生だったが、電話連絡で翌朝までの指示を出してもらった。

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