今日は内科の若い先生2名が休みで、内科一人での診療だった。朝から昨日の当直医から連絡がきた。当直帯ぎりぎりに2名の救急車を受け入れたのだった。ひとりは胆管癌での85歳男性だった。8月に黄疸で発症して、基幹病院の消化器科で総胆管ステント挿入の処置を受けていた。腫瘍内科でジェムザールの治療が開始されたが、皮疹で中止となった。抗癌剤を変更しての化学療法は拒否したため、そのまま経過観察となり、自宅から近い当院に紹介されていた。発熱・炎症反応上昇・肝機能障害(総ビリルビン3.1)があり、肺炎や尿路感染症など他の感染症もなく、急性胆管炎と判断された。ステントの閉塞の可能性もあり、基幹病院に相談しようと思ったが、奥さんは当院での治療を希望した。閉塞性化膿性胆管炎と断定できず、まず抗菌薬で治療を開始して、1日経過をみることにした。
もうひとりは施設に入所している90歳女性(老年期認知症)で、意識低下で搬入された。横臥している状態では会話ができた。Hbが4.0g/dlと貧血(正球性貧血)だった。血圧は正常。吐血下血の症状はなく、直腸指診でも普通便だった。大腿骨骨頸部骨折で入院した時にはHb7~8だった。やはり消化管出血が疑われるので、今日は輸血をして、明日の状態を確認して上部消化管内視鏡検査は行うことにした。正しくはNGチューブを入れて確認するべきなのだろう。
夕方に内科外来の看護師さんからチアノーゼの90歳女性がいると連絡がきた。パーキンソンで神経内科に通院していて、先月から動きが悪くなって神経内科に入院して、数日前に退院したばかりだった。昼食後から呼吸困難になって、家族が救急車を呼びたくないと自宅の車で連れてきたのだった。酸素吸入(10L/分)を開始して、胸部X線・CT検査をすると両側肺野肺側に浸潤影を認めた。誤嚥性肺炎と判断した。救急外来での酸素飽和度は86%だった。点滴をして抗菌薬の投与(ゾシン)を開始して病棟に上がると、酸素飽和度は99%になった。外来で一時的に血圧が70mmHg台になったが回復した。
もうひとり入院があったが、今自宅で思いだせない。