なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血便

2015年12月18日 | Weblog

 59歳女性が血便で内科医院から紹介された。消化器科が忙ししいので、と地域医療連携室から連絡が来た。まず内科で診察すちことにした。ひとりで普通に診察室に入ってきた。一昨日の夜に下腹部痛(正中に感じた)が出現して、その後泥状便から水様便になった。昨日は内科医院を受診して、整腸剤の処方を受けた。今日になって腹痛はほとんどなくなったが、血便が出る様になったので、再受診した。カンピロバクター腸炎でしょうかと紹介状にあった。

 腹部に圧痛はなかった。発熱もない。直腸指診で薄く血液が付着した。便の直採で便培養を提出した。食事をとっていないというので、点滴をして血液検査を出した。白血球数は正常域でCRPが0.8だった。腹部単純CTで見ると、下行結腸壁が軽度(~中等度)に肥厚していた。症状が出る2日前に鶏のから揚げを食べたそうだ。

 腹痛があって、その後に血便が出て、下行結腸~S状結腸に病変があれば虚血性腸炎を疑うが、この方は水様便が数回出ている。感染性腸炎も考えられる。さてどちらだろうか。検査するかと思って食べなかっただけで、水分はとれて食べられそうだという。90歳代の父親の介護をしているので、あまり入院はしたくないそうだ。外来で経過をみて、来週の月曜日にまた来てもらうことにした。土日に血便が大量に出るなど症状の悪化があれば、その時再受診してもらうようお話した。ホスミシンとミヤBMを処方してみた。

 病棟では、基幹病院呼吸器科から転院して2か月になる肺癌終末期の67歳男性が、そろそろ危なくなってきた。この方は一人暮らしだったが、肺癌とわかってから長年音信のなかった首都圏在住の異母兄に連絡がいった。当院に転院した時にも息子夫婦と一緒に来てくれた。病状のちょっとした変化の時に連絡されても来れないので、いよいよの時に(死亡確認した後)に連絡してほしいということだった。数日前に、電話で病状を伝えて、対処について確認した。病室で待つかどうかは、その時の事情(どのくらいで来れるか)で決めることにした。

 今日は病院の忘年会がある。今年から職員親睦会の会長(回り持ち)になったので、開会の挨拶を頼まれた。昨年は締めの挨拶を頼まれたので、当時大学病院長だった医局の教授が当院のことを、「医師数が少ない割には頑張っている」と言っていたことをお話した。病院が評価されていると知って嬉しかったと何人かに言われた。(当院への医師派遣は非常勤しか出してくれないけど)

(追記) 12月21日に再受診した。症状は消失して、普通便になっていた。便培養は陰性。虚血性腸炎と判断した。ずっとではないが、便秘気味(便が固い)ということで、マグラックスを処方して内服回数は便通をみて自分で調整してもらうことにした。肩凝って後頭部痛が出現することがあるというので、頭痛薬も処方した(紹介先の内科医院へ報告書を書いて、今後の処方を依頼)。脳ドックを含めた人間ドックを毎年受けていて異常はないそうだ。

コメント (1)
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