昨日の日曜日は内科の当番だった。日直が消化器科医で、入院があれば翌日までの指示を出してくれるので(連絡も翌日)、日中はゆっくり過ごしていた(喫茶店のハシゴ)。当直は大学病院からきてもらっている(バイトの)外科医で、連絡が来るかと思っていたが夜間はなかった。
病院に出かける直前の午前7時過ぎに連絡が来た。施設入所中の88歳男性が救急搬入されて、肺炎があって血圧が60台だという。意識は昏睡状態。トロポニンも陽性ですということだった。鋭意治療中だったので、そのまま救急室で治療を継続してもらって、家族と相談してから入院を決めることにした。内科病棟は作りが救急処置に向いていない。
この方は今年の1月自宅に居たころに救急搬入されて、低体温だった(室内にいた)。当直の外科医がそのまま担当となって入院したが、いろいろ問題があって結局9月まで入院していた。入院中に、経口摂取困難で内視鏡的胃瘻造設術が行われた。入所できる施設を探して、やっと9月に入所したたのだった。
画像をみると、両肺背側に肺炎像があり、誤嚥性肺炎と判断された。最近は胃瘻からの経管栄養を別に少し経口摂取もしていたそうだ。職員が異変(意識障害)に気付いたのは今朝だが、腎障害・肝障害・心筋障害もあって多臓器不全を呈していることから、数日から1週間は経過していたと推定される。
家族と相談して、当院入院で治療を継続して経過をみることにした。高齢・胃瘻造設・寝たきり状態・認知症だと、高次医療機関には紹介し難い。どこまでの治療にするかだが、酸素・点滴・抗菌薬・昇圧剤で治療して、心肺蘇生術まではしない方針となった。ノルアドレナリンの投与で血圧は90~100になった。
血圧・酸素飽和度が改善しても意識は変わらなかった(搬入時の頭部CTで明らかな所見なし)。発症が昨晩からだと、一晩低酸素・低血圧にさらされていたわけで、脳障害が起きている可能性が高い。
この患者さんの前に、入院中の84歳男性がCVカテーテルを自己抜去したという連絡が病棟から入っていた。この方は重症肺炎でやはり血圧60台で入院してきて、治療によって回復していた。末梢静脈ラインがとれずにCVにしていたが、経口摂取は難しそうで、そのまま高カロリー輸液で継続も考えていた。
気の重い週明けとなったが、何とか粘ってやってみるしかない。