なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性発症の糖尿病

2018年11月18日 | Weblog

 木曜日に内科医院から75歳男性が体重減少で内科新患に紹介された。外来を担当していた先生(大学病院から来ている大学院生)から血糖が高値で入院治療をお願いしますと連絡がきた。血糖452mg/dl(ほぼ空腹時)、HbA1c7.9%だった。血糖とHbA1cが解離している。尿ケトン体(3+)。

 先月までは月3回くらいゴルフをするくらい元気な方だった。先月ゴルフ中にいつもより疲れるような気がしたそうだ。今月になってから(10日くらい前から)、明らかに疲れを感じるようになり、食欲低下・体重減少(5Kg)があった。口渇・多飲・多尿が続いた。

 9月に健診を受けていて、HbA1c5.7%だった。ここ4年間はHbA1c5.5~5.7%で推移している。2か月弱で糖尿病になったとする劇症1型?。腹痛はなく、膵酵素は正常域だったが。血液ガスはpH 7.335・HCO3 15.8と、軽度だが代謝性アシドーシスを呈していた。

 インスリン持続点滴も考慮したが、点滴1本目で血糖が300mg/dl台になったこともあり、インスリン強化療法にした。点滴は細胞外液で週明けまで持続する。1日は2単位/時くらいの少量でインスリン持続点滴をした方がよかったかもしれないが。

 翌日の金曜日は普通に食事摂取できていた。持効型のトレシーバを入れて、当面の毎食分はヒューマリンRにした。血糖改善後はヒューマログに変更する。

 CA19-9が軽度上昇を認めたが、腹部エコーでは膵臓に異常を指摘できなかった。これはどういう病態なのだろうか。

 

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