なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性膵炎

2018年11月27日 | Weblog

 昨夜は地域医療研修(4か月間)の内科専攻医の送別会をしていた。医局の会で時々使っているフランス料理店で、10名の会なので和気あいあいといった感じで楽しかった。もともとアルコールは飲めないので、ノンアルコールのスパークリングワインというものを飲んでいた。

 会が終わって帰宅途中に、当直の整形外科医から連絡が来た。急性膵炎の45歳男性を入院させたいという。バイタルは安定していて、腹痛はアセリオ1000mg点滴静注で軽快していた。病棟に電話して持続点滴(FOYのジェネリック混合)の指示を出した。

 今日診察すると、腹痛は昨日よりは軽減していたが、腸雑音が弱く麻痺性イレウス様になっている。改めて問診した。普段は飲酒していないそうで、機会飲酒だった。前日の日曜日に飲み会があって、ビールジョッキと焼酎炭酸割りを日本酒換算4~5合くらい飲んでいた。月曜日の午前10時ごろから腹痛が始まり、我慢していたが症状がひどくなって受診した。

 腹部造影CTで膵臓全体が軽度に腫脹して、膵体尾部の周囲に浸出液貯留を認める。膵実質の造影不良域はな。脂肪肝がかなり目立っている。血液検査で血清アミラーゼ1035(50~200)と上昇していた。γ-GTP 254など肝機能障害もあり、AST>ALTなので、アルコール性というよりはもともとの脂肪肝を反映しているのか。

 

 HbA1c10.1%と糖尿病もある(昨日血糖検査が抜けていたので今日追加した)。血清脂質はTC 643・LDL-C 29・HDL-c 30・中性脂肪 2864という値だった。父親が糖尿病と脂質異常症で通院しているという。健診で血糖と脂質の異常を指摘されていたそうだが、受診していなかった。外注のリポ蛋白を提出しないと正確にはわからない。

 膵炎は数日絶食で経過をみるしかないが、代謝異常が興味深い。

 

 

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