なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

低血糖

2018年11月13日 | Weblog

 日曜日の日直で意識障害の53歳男性が救急搬入された。日直は神経内科医。血糖33mg/dlと低血糖があり、グルコースの投与で意識は改善した。胸部X線・CTで左肺炎(上葉下葉の背側に陰影散在)もあり、入院になった。

 月曜日の朝に神経内科医から、この患者さんを内科扱で入院させていると言われた(翌日までの指示を出してくれていた)。日曜日の内科当番は内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)だったが、訳ありの患者さんと判断したらしく当方に持ってきたらしい。

 この患者さんは3年前に両側下腿の壊死で外科に入院していた。糖尿病・高血圧症・脂質異常症はない。1日40本の喫煙者で、閉塞性動脈硬化症(ASO)よりは閉塞性血栓血管炎(TAO)だったのかもしれない。いよいよ動けなくなっての救急搬入で、外科に入院してすぐに両下腿切断術(膝下)が施行された。リハビリや義足装着は希望せず、2か月半の入院で退院になっていた。

 その前にはアルコール依存症で専門病院に入院した既往があった。退院後は禁酒しているという。喫煙は退院後も続けていたが、最近はやめているそうだ(本人の話)。

 搬入時の血液ガスでpH 7.258・PaO2 70.3・PaCO2 37.4・HCO3 16.1・BE -9.6と代謝性アシドーシスを呈していた。てっきりアルコール性かと思ったが、γ-GTP 50と正常域で飲酒はしていないようだ。

 CT画像上は肝硬変とはいえないが、アルコール性肝硬変になっている可能性はある。搬入前の2日間は嘔気があって食事摂取できなかったので、肝臓の問題(グリコーゲン低下)で低血糖に陥りやすいのかもしれない。入院後は食事摂取できて低血糖にならなかった。

 入院後に高熱になったが、抗菌薬投与(セフトリアキソン)で解熱している。そのまま退院するつもりだったらしいが、肺炎があるので1~2週間は入院になることを伝えると、しぶしぶといった感じで了承された。話をすると、険しい雰囲気になる方だった。確かに当方向きの患者さん?。

 

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