火曜日に地域の基幹病院呼吸器内科から、特発性間質性肺炎の85歳男性が転院してきた。(在宅)酸素2L/分で病状は安定しているが、介護保険申請をしたばかりで、認定とサービスの調整をするまでリハビリをして約1か月くらい入院の予定だった。退院前の胸部CTは両側に蜂巣肺を認める。
この方は心房細動・心不全・高血圧症でクリニックに、糖尿病で当院の糖尿病外来に、間質性肺炎で基幹病院呼吸器内科に通院している。前立腺肥大症で泌尿器科クリニックにも通院していて、忙しいのだった。
8月に心不全の悪化として当院循環器科に紹介されて入院していた。ハンプ・ラシックスで治療して軽快退院となっていたが、もともと糖尿病外来からラシックス10mgが以前から糖尿病薬と合わせて処方されていたので、退院時に追加処方はなかった。
11月初めに今度は間質性肺炎の悪化として、基幹病院呼吸器内科に入院していた。入院中は利尿薬・糖尿病薬は休止しいていたようだ。紹介状には記載されてなくて、まとめて一袋になって退院時に持たされていた。
転院してきた時に、酸素2L/分で酸素飽和度96%だったので、そのまま治療継続と思ったが、両下肢(下腿~足)に浮腫を認めた。胸部X線・CTで確認すると、両側に胸水貯留があった。BNPが、多分普段は90くらいで、循環器科入院時が200だが、今回は500だった。あわてて午後からラシックス40mg内服を開始した。翌日まで尿量は充分にあり、なんとか注射製剤を使用しないで内服だけで治療できそうだ。
血糖も普段HbA1cが7%なのが、8.4%と上昇していた。これも糖尿病薬を再開する。糖尿病外来の処方3剤のうちメトホルミンは85歳なので中止して、DPP4阻害薬+SU薬少量を再開した。今日の血糖をみると、この2剤でいけそうだ。(可能ならアマリール1mgを0.5mgに減量して、さらに可能なら中止してDPP4阻害薬だけにしたい)
退院する時に通院先をどうするかだが、できればまとめたい。間質性肺炎は基幹病院呼吸器内科にお任せする(在宅酸素の指示とフォロー)。心房細動・心不全・高血圧はクリニック(元心臓外科医)に利尿薬の処方も含めてお願いしたい。糖尿病も内服2剤であれば、クリニックにお願いできそうだ。
蜂巣肺があるので、肺気腫で場合でもそうだが、肺うっ血・水腫が肺陰影の関係でまだらになる。