なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

膵癌の浸潤

2018年11月22日 | Weblog

 遠方の基幹病院から、緩和ケア継続目的で膵癌の73歳男性が転院してきて、現在入院中だ。もともと(健康な時から)朝食はほとんど食べないそうで、昼食と夕食はある程度食べていた。疼痛はNSAIDでコントロールできていたので、このまま穏やかに経過してほしいと思っていた。

 一昨日から嘔気・嘔吐が断続的に始まった。上腹部が膨満している。数回嘔吐して、今朝発熱もあったので、当院に来てから初めて胸腹部CTを行った。

 左肺に淡い浸潤影が散在して、誤嚥性肺炎と判断された。腹部は胃から十二指腸にかけて拡張して消化液が貯留していた。空腸起始部に膵癌が浸潤してきていて、その先の腸管の拡張はないことから、その部位で空腸が狭窄していると判断された。癌性腹膜炎の悪化ではなく、膵癌の浸潤そのものだった。制吐剤を数回使用していたが、物理的に狭窄しているので、NGチューブで消化液を吸引するしかない。

 肺炎の治療を開始することをお話して、NGチューブ挿入についてもお話したが、あまり乗り気ではなかった。今日になってからは嘔吐していないと言う。挿入しないでちょっと経過をみて、また症状をみて挿入の話をすることにした。

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