水曜日の夕方高熱で88歳女性が救急搬入された。救急当番の外科医が診て、血液検査で延焼反応上昇(白血球数12400・CRP5.4)を認めたが、肺炎や尿混濁はなかった。
腰痛もあることから、化膿性脊椎炎を疑って整形外科医に相談されたが否定された。以前から腰痛はあり、高熱のために増強されたものという判断だった。
次に内科に相談された。右下腿の発赤・腫脹があり、蜂窩織炎の可能性があるがどうか、という。確かに肺炎・尿路感染症は否定的で、関節炎でもない。手足・眼に敗血症性血栓塞栓もない。足趾間に白癬症もありそうで、蜂窩織炎でいいようだ。熱はあるが、バイタルは安定して、患者さんは問いかけにハキハキと答えた。
左下腿は発赤はないが、色素沈着があり、以前左下腿に蜂窩織炎を起こしたのかもしれない(皮膚科医院にふだんから通院している)。最近は皮膚科医で四肢の蜂窩織炎を診ているので、連絡して皮膚科入院で診てもらうことになった。
外科医から、軽度の肝機能障害もあり、画像(胸腹部単純CT)で肝臓が小さいがと言われた。AST 46・ALT 26・ALP 490・GTP 152・総ビリルビン2.4とどちらかと言えば胆道系酵素優位な異常を認めた。画像では胆道系に異常を認めないが、肝臓は右葉萎縮して左葉肥大を認めて、肝表面に明らかな凹凸がある。脾腫もあった。
B型・C型肝炎はなく、アルコール性でもない。おそらく原発性胆汁性肝硬変と判断された。血液検査でミトコンドリア抗体と抗核抗体を追加で出してもらった。内科医院に通院しているが、肝臓に関する処方はなかった。抗体検査で確定すればウルソを処方する。