昨日、内科の若い先生(地域医療研修の専攻医)に77歳女性の肝腫瘍について相談された。もともと不全片麻痺がある方で、ふらついて腰部を打撲した。経過をみるために先月末に入院になっていた。
入院時の画像検査で、頭部CTとともに肺炎などのを有無をみるために胸腹部CTも撮影したところ、肝臓内に巨大な腫瘤があった。放射線科の読影レポートで造影CTを勧める、となっていたので、改めて腹部造影CTを行っていた。
肝右葉全体に低濃度腫瘤があり、辺縁部は造影されて、内部は徐々に造影されていた。中央部には不整な低吸収域がある。診断は肝巨大海綿状血管腫。
これに関しては無症状だった。肝機能検査では胆道系酵素の上昇を認めるが、トランスアミナーゼは正常域だった。これは本人と家族にお話して、希望があれば高次医療機関に紹介するが、経過をみるしかないと思われる。
週1回は研修の基幹病院である医療センターに戻るので、消化器内科の肝臓専門医に訊いてみては、と伝えた。肝臓専門医は肝炎と肝細胞癌の専門家だが、こういうのはあまり診ていないかもしれない。
昨日は赤十字病院で開催された倫理研修会に出席した。テーマは「現代の看取りについて」。大学の医療倫理学の教授が講演された。病状の悪化した、あるいは経口摂取できなくなった高齢者にどこまで治療するかという問題になる。
法制化は難しく、簡単なガイドライン(人生に最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン)はあるのものの、結局は患者さんごと、家族ごとのケースバイケースになる。施設勤務の先生方も参加されていた。