水曜日に救急室で、地域の基幹病院呼吸器内科から紹介された高齢男性を診ていた。COPDで近くの医院から紹介されて、先方の外来を受診した。先月に肺炎で入院しているが、今回は肺炎に加えて以前からの腰痛の悪化で動けなくなっていた。
入院ベットがないことと、腰痛で入院すると長くなりそうなので(?)、外来から直接当院入院を依頼された。当院向きの入院なので引き受けた。紹介した呼吸器内科の先生とは、先週感染管理の相互評価で訪問した時に会ったばかりだった。重症感染症や間質性肺炎は紹介されてもらい、高齢者の誤嚥性肺炎・肺炎治癒後のリハビリ・肺癌の緩和ケアは当院で引き受けるという関係でやっている。
その時に、呼吸困難(体動困難も)で内科外来を受診した(初診)51歳女性が、外来から救急室に運び込まれた。内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)が呼ばれていた。C型肝炎とアルコール性の肝硬変で、地域の基幹病院消化器内科(肝臓外来)に通院していたが、9月から通院を中断していたそうだ。
通院中断の理由は「怒られるから」。確かに禁酒できないで、肝機能が改善しなければ、優しい扱いにはならないだろう。1週間前から病状が悪くなりすぎて、飲酒もできなかった。禁酒による症状が出た(幻覚妄想)が、その期間は自宅で過ごしたので、それはもう治まっていた。
CTで見ると、胸腹水が大量に貯留していた。AST224・ALT76という比率からはアルコール性がメインと思われた。総ビリルビン5.0と黄疸があった。左肺は胸水貯留だが、右肺は肺うっ血・水腫なのか、ちょっと不思議な像を呈していた。著明な低酸素血症を呈している。
当院の消化器科医とも相談して、結局救急搬送になった。