なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

どこからの大腸菌?

2018年12月26日 | Weblog

 また、先週土曜日の内科日直の時の患者さん。当直帯になってから、当直の外科医から相談された。78歳男性で高熱で動けなくなって救急搬入されていた。胸部X線・CTで明らかな肺炎像はなく、尿混濁もなかった。肝機能は正常で、画像でも胆道系感染は否定的だった。関節炎、蜂窩織炎もない。認知症はあるが、意識低下とはいえない。

 血液培養2セットと尿培養を提出して、セフトリアキソンで治療を開始して内科に入院した。入院後は解熱して、食事摂取も良好だった。

 ただし、認知症で動いてしまうので抑制されていた。ふだんはショートステイを定期的に入れて、自宅半分施設半分の生活をしている。セッティングするとムセなく食べてくれるのはありがたい。

 血液培養2セットから大腸菌が検出された。尿所見はまったくの正常で、尿培養は陰性だった。前立腺炎かというと、前立腺の所見はなく、前立腺炎のマーカーにもなるPSAも全くの正常値だった。

 それでも大腸菌だと、感染巣は尿路と考えるしかない。2週間の抗菌薬投与で経過をみることにした。「わからない時は培養を出してセフトリアキソンで開始」というのは確かに指針として使える。

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