なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血液培養陽性(MSSA・MRSA)

2018年12月17日 | Weblog

 先週入院した高齢女性の血液培養(2セット中2セット)からブドウ球菌が検出された。

 C型肝硬変の89歳女性からはメチシリン感受性ブドウ球菌(MSSA)が検出された。今年の7月に完全房室ブロックで心臓血管センターのある専門病院に搬送されて、心臓ペースメーカー植え込み術を受けている。心エコー(経胸壁)では心臓の弁やリードに明らかな疣贅は指摘できなかった。ペースメーカー本体の植え込み部位の炎症所見はない。

 入院時の胸部CTで両側肺に淡い陰影があり、肺うっ血・水腫疑いと判断していた。一部に肺炎の浸潤影様に見えるかと思ったが、ブドウ球菌の肺炎は考えにくい。心内膜炎の疑い、リードなどのペースメーカーデバイス感染疑いになってきた。循環器科医と相談したが、心エコー検査を2回・3回と繰り返してみるしかないと言われた。

 血液培養提出後からセフトリアキソンを開始して、翌日にはあっさり解熱して元気になっていた。MSSAの心内膜炎だとセファゾリンに切り替えになるが、末梢血管が見えにくい(確保し難い)のと、手間を考えるとセフトリアキソン1回(高齢+CKD)が助かるけど。

 

 右下腿蜂窩織炎で皮膚科に入院した88歳女性も、セフトリアキソンで治療が開始されていた。セファゾリンですかと皮膚科医に言ったところ、セフトリアキソンで開始したいと言われた。内科でも蜂窩織炎のようだが、尿路感染も考えられるという時にセフトリアキソンで開始したりしている。

 入院後高熱が続き、血液培養からメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)が検出された。ST・MINO・FOM・アミノグリコシドにお感受性があり、市中感染型のMRSAと判断された。血液培養で検出されたこともちょっと想定外だったが、(蜂窩織炎の起炎菌はブドウ球菌・連鎖球菌だが)MRSAはまったく想定外だった。

 抗菌薬をバンコマイシンに切り替えてからは解熱してきた。ブドウ球菌なので、心エコー検査や、腰椎MRIも検査してもらうことにした(ずっと以前からとはいえ腰痛症があり、確認が必要になった)。内科で引き取ることも考えて、いっしょに診せてもらう。

 

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