なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

高~低カルシウム血症、慢性副腎不全

2018年12月24日 | Weblog

 昨日の内分泌の続き。

 副腎は、両側機能性副腎腫瘍で副腎全摘術を受けた63歳男性で、今回は肺炎で入院した。大学病院の処方はレダコート錠(4mg)1.5錠の6mg/日とフロリネフ錠(0.1mg)1錠/日だった。

 レダコート(トリアムシノロン)は糖質コルチコイド力価がヒドロコルチゾンの10倍で、鉱質コルチコイド力価はほとんどない。同等用量はヒドロコルチゾン20mgに対してトリアムシノロン4mgになる(6mgだとヒドロコルチゾンで30mg)。

 フロリネフ(フロドロコルチゾン)は鉱質コルチコイドとして0.05~0.1mg/日投与する。

 肺炎発症に伴う、ステロイド増量分をどうするか悩んでいたが、大学病院の主治医に連絡したところ、ヒドロコルチゾン(ソル・コーテフ)100mg/日を入れてください、病状が安定したら(発熱がなくなったくらいでいいらしい)ふだんの内服薬に戻してください、という返事だった。言い方も含めて丁寧なアドバイスで過激していた。確かに内分泌を担当している医局は、循環器科や消化器科よりは全体に優しい気がする(個人の感想です)。

 当方が担当している慢性副腎不全の患者さんは、コートリル(ヒドロコルチゾン)15mg/日(10-0-5)を補充している。別の患者さんで、ふだんは同量のコートリルを内服しているが、副腎クリーゼの時はヒドロコチチゾン(ソル・コーテフ)100mgを1日3回点滴静注して回復していた(やはり大学病院で副腎摘出術をうけた既往がある)。

 コートリル(ヒドロコルチゾン)だと糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドの力価比が1:1なので両者をカバーしている。これで鉱質コルチコイドとして不足する時はフロリネフ(フルドロコルチコイド)を追加する。

 

 副甲状腺は、甲状腺癌術後の86歳女性で、ビタミンD製剤とカルシウム製剤が投与されているが、高カルシウム血症になったり、低カルシウム血症になったり安定しない。今回は高カルシウム血症(14.4mg/dl)だった。いったん投薬を休止して慎重に再開の方針だ。

 一般内科というと簡単なようだが、全部を扱うので勉強が多方面に渡るので結構大変だ。

 

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