なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺炎・心不全?

2018年12月14日 | Weblog

 水曜日に、外来で診ているC型肝硬変(非代償性)の89歳女性が高熱で救急搬入された。内科の別の先生が診ていたが、すでにひとり救急から入院させていたので、当方が入院治療を引き受けた。さらにまた別の患者さんが救急搬入される連絡が入ったところだった。

 難聴はあるが、年齢の割に元気な方だった。非代償性肝硬変に加えて慢性腎不全(血清クレアチニン1.3~1.5程度)もある。さらに今年7月は、週末の夜間に完全室ブロックで受診して、心臓血管センターのある専門病院で心臓ペースメーカー植え込み術を受けていた。

 すでに検査はされていて、白血球数16100・CRP0.5と感染症の初期を想起させる結果だった。胸部CTに淡いスリガラス様の陰影が広がっていて、これは何だろうということになった。BNPが普段(100台)より高い300に上昇している。肺うっ血・水腫の陰影のように思われた。左下葉の一部に肺炎の浸潤影ととれるところもある。酸素飽和度の低下はなく、酸素吸入は不要だった。下肢の浮腫はない。

 尿混濁はなく、胆道感染らしくもなく、関節炎・蜂窩織炎もない。確定診断とも言い難いが、肺炎・心不全で内科入院とした。ふだんの内服にラシックスとサムスカが入っているが、ラシックスを静注して、セフトリアキソンを開始した。

 搬入時は、呼びかけると開眼して問いには答えるが、活気がなかった。翌日には解熱してきて、いつものようなぶっきらぼうな言い方で答える様になった。入院した日の夕食は介助で無理しない程度にと病棟看護師さんに言っていたが、9割方食べていた。翌日からも完食している。丈夫なものだ。

 

 救急室で血液培養2セットを提出していたが、今日2セットからグラム陽性球菌が検出されたと報告がきた。セフトリアキソンが効いているようなので、そのまま継続で結果(最終報告)待ちにした。心エコー(経胸壁)ではペースメーカーリードを含めて明らかな疣贅はないという報告だったが、poor studyと付記されていた。敗血症性血栓塞栓はない。

 10月に下肢(足関節~下腿遠位)の蜂窩織炎で入院していて、それが心内膜炎の原因になった可能性も考えられる。循環器科医と相談して、(経胸壁ではあるが)心エコーを来週以降に(何度か)再検することになった。

 心不全・肝不全・腎不全はあるが、元気な89歳だ。

 

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