昨日の月曜日の朝に患者さんを乗せた救急車が出ていくのが見えた。救急室から直接高次医療機関に搬送されたのかと思ったが、救急室の看護師さんに訊くと、外科で入院していた患者さんが大学病院になったという。
内科日直をしていた先週の土曜日に、乗っていて脚立が倒れてその脚立で左側胸部を打撲した中年の男性が外科の救急外来を受診した。胸部CTで左肋骨が複数骨折していた。バイタルと検査は問題なく(白血球増加はある)、週明けに外来受診として帰宅となった。
その患者さんは、翌日の日曜日の夜間に胸痛で救急搬入された。胸部CTで左血胸を認めて、胸腔ドレーンが挿入されて入院になった。600mlの血液が排出して、その後も血液の排出が続き、月曜日の朝には血圧が90mHg台になって、Hb9g/dlに下がった。開胸治療が必要となり、呼吸器外科のある大学病院へ救急搬送となったのだった。
後から画像を見ると、初診時に少量の血胸があり、経過をみるために入院が必要だったようだ。PTLSのテキストによると、大量血胸では排液量が1000ml/即時、1500ml/時×1時間、200ml/時×4時間の出血の場合(輸血をしないとバイタルサインが保てない)には開胸を行うとある。今回は200ml/時×4時間に相当する。