なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

前立腺癌緩和ケア

2018年12月13日 | Weblog

  12月3日に地域の基幹病院緩和ケア科から、前立腺癌・肝転移・骨転移の84歳男性が転院してきた。奥さん(元看護師)と二人暮らしだが、その奥さんは90歳前後の伯母2人を泊まり込みで介護していた。夫の介護まで手が回らず、在宅介護困難ということで当院転院で入院治療継続となった。

 画像が送られて来てなかったので、翌日血液検査と胸腹部CTで確認してみた。PSAが277と上昇して、肝臓全体に多発性転移があり、骨盤・脊椎・肋骨にも転移を認めた。前立腺癌は膀胱内に浸潤していた。癌性疼痛にフェントステープ1mgが使用されていて、疼痛は治まっているようだ。

 前立腺癌は経過が長いので、当初は入院期間が長くなったらどうするかとも考えていた(療養型病床への転院など)。しかし、入院後食欲はなく断続的に嘔気もある。顔色が悪く、会話もだるそうにしていた。当院での入院期間で緩和ケアが終了になりそうな見込みだ。

 糖尿病はないので、予後3か月の見込みとして、大津秀一先生流のステロイドを投与することにした。デカドロン少量内服で、少し食欲が出て、顔色と表情が良くなった。

 病状が安定していれば、年末年始に自宅に外泊の予定だったが、看護師さんから今の病状では自宅外泊は早い方がいいと言われた。介護タクシーでの往復も大変だが、奥さんと相談することにした。

 

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