先週の木曜日に右下肢のASOで外科に紹介になった85歳男性。別の患者さんを診に救急室に行った時に搬入されたので、ちょっと診察させてもらった。
先月から右足趾の潰瘍で近くの病院で治療していたが、治らなかった。地域の基幹病院の皮膚科に紹介されて、右下肢の冷感に気づかれて、外科に回されていた。大学病院の血管外科の先生が出張で来ていて、ASOで手術適応と診断された。地域の中で血管外科医のいる病院として当院に紹介されたという経緯だった。
足趾に潰瘍はあるが、壊疽ではない。右下肢は膝上から末梢にかけて冷感があり、触っただけで血流障害とわかる。緊急手術の適応ではないので、必要な検査をして今週の待機手術となった。造影CTで右下肢の浅大腿動脈に23cm、膝窩動脈に2.5cmの閉塞を認めた。動脈の3次元構成をしてもらうときれいな絵ができる。
認知症があり、救急室でもCTの時も騒いでいた。すぐに下肢を曲げようとするので、声掛けをしながら何とか放射線技師さんが撮影した。外科医は術後が思いやられると嘆いていた。