昨日午後2時ごろに消化器科医が遅い昼食をとっていた。何かありましたか、と訊いた。2日前に入院した急性胆嚢炎の患者さんが緊急手術になったそうだ。
26日に67歳男性が心窩部痛で消化器科に入院した。胆嚢内に小結石があるが、発熱もなく炎症反応も陰性で、胆石発作とも胆嚢炎とも断定しがたかった。胃疾患ではないかと上部消化管内視鏡検査が行われたが、有意な所見はなかった。
入院後も心窩部痛が続き、発熱も見られた。鎮痛薬が頻回に使用されて、軽減・増悪を繰り返した。白血球数14200・CRP23.8と炎症反応も上昇した。28日に改めて腹部造影CT検査を行うと、胆嚢が腫大して、胆嚢壁は層構造を呈していた。何より胆嚢内に空気像を認めて、気腫性胆嚢炎と診断された。緊急に外科手術となった。気腫性胆嚢炎は経過が速く重症化するので危険だ。入院時にこの経過を予測するのは難しい。
28日が仕事納めであとは年末年始体制になるので、ぎりぎり間に合ったことになる。まあ休み中でも必要があれば緊急手術は行われるが。術後の経過をみる外科医も大変だ。