なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺胞出血・器質化肺炎

2020年06月07日 | Weblog

 3月までいた内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)宛の診療情報提供書が来ると、医局秘書さんに確認を頼まれる。

 金曜日に地域の基幹病院呼吸器内科からの提供書を開けると、3月に紹介した77歳女性の返事だった。診断は特発性肺胞出血・器質化肺炎となっていた。

 紹介するにあたって相談を受けていたか記憶がない。3月だと、4月から1年いて慣れたころだったので自分で判断したのかもしれない。

 患者さんは昨年11月に地元の町立病院から左肺炎で紹介されていた。セフトリアキソンで治療を開始して、反応が思わしくなく、レボフロキサシンに変更していた。肺炎の陰影が若干軽快したように見えて、12月には退院にしていた(2週間の入院)。

 今年の3月にまた同じ病院から、今度は右肺炎で紹介された。また抗菌薬で治療を開始したが反応に乏しく、1週間目で器質化肺炎疑いとして呼吸器内科に紹介していた。

 

 昨年の入院時から、炎症反応は白血球5000~8000・CRP2~3で推移して、経時的に眺めると横ばいだった。初回はair bronchogramを伴う浸潤影で、二回目は浸潤影+すりガラス様陰影だった。肺葉を跨ぐ分布になるだろうか。

 呼吸器内科で気管支鏡検査を行って、ヘモジデリン貪食像を認めて肺胞出血と診断されていた。器質化肺炎像もみられるそうだ。プレドニン1mg/kg/日の治療で軽快して、現在は10mg/日で維持しているとあった。

 当院で器質化肺炎疑いで呼吸器内科紹介というのは、年に1例か2例だと思う(ないこともある)。

 

 

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