昨日CVカテーテル挿入で使用するエコーの機器を取りに救急室に行くと、外科医が集まって相談していた。患者さんは、50歳代後半の女性だった。
前日から右下腹部痛があり、持続していた。内科医院を受診して、腹部腫瘤を指摘された。医院の先生が、弟である当院の外科医に紹介してきて救急搬入となった。
腹部CTは単純だけだったが、子宮自体が腫大して腫瘤となっていて、両側の卵巣も不整に腫脹している。中等度の腹水と少量の胸水があった。
血液検査では白血球13300・CRP10.7と炎症反応の上昇があり、Dダイマー26.0と凝固異常がある。腫瘍マーカーはCA19-9が554.2と著明に上昇していた(子宮癌のマーカーではないが、腺癌を示唆するのだろう)。
婦人科医にコンサルトされて、経膣エコーも行われて子宮体癌の両側卵巣転移が疑われた。当院では到底扱えないので、がんセンター婦人科に連絡して搬送となった。
当院の婦人科ではすでにお産は扱わなくなっている。妊娠中の健診・管理を行うが、出産は扱っている病院に送る(セミオープン方式というそうだ)。
地域の基幹病院産婦人科で診てもらえばいいかというと、そちらも出産は扱わなくなった(妊娠中の健診・管理のみ)。県南部全体で1か所の産婦人科専門病院に集約されることになった。当院は産婦人科自体がなくなるらしい。産婦人科医の話では、教授の方針で産婦人科医10名前後の病院にセンター化していくという。