火曜日の早朝に82歳男性が呼吸が苦しいと訴えて、救急外来を受診した。月曜日の当直だった循環器科医が診察して、胸部X線・CTで陰影増強を認めた。
この患者さんは3月にがんセンターから当院の呼吸器科外来に紹介されていた。担当は診療応援に来ている(バイト)外部の病院の先生だった。
診断はじん肺と肺癌だった。右肺肺尖部に結節影を認めて肺癌と思われるが、精査・治療の対象ではないので経過観察にしたとある。病状進行時は緩和ケアで対応してほしいということだった。(入院になれば、当院は呼吸器科の常勤医がいないので、内科に依頼される)3か月後の外来フォローとなり、今月末に予約が入っていた。
CTでは両側肺野の蜂巣肺の部分に浸潤影ともとれる陰影になっていて、蜂巣肺ではない部位にも淡いすりガラス様陰影が出ていた。その日たまたま最初に見た呼吸器科医が来ていたので、そのままコンサルトされた。
肺うっ血が加わっている陰影とされて、循環器科入院となっていた。画像だけ見て、単純に間質性肺炎の急性増悪の患者さんがきているなあ、くらいに思っていたが違った。うっ血という判断はどうかな、というのもあるが、
じん肺は、画像としては間質性肺炎の像になるので、職業歴を加味しないと診断できない。この患者さんは石材店勤務という職業歴があった。