膀胱癌で回腸導管造設術を受けた70歳男性のその後。尿路感染症・菌血症で血液培養2セットからStreptococcus dysgalactiaeが検出された。菌に合わせて抗菌薬をビクシリン(ABPC)に変更して、解熱して炎症反応も軽減してきていた。
入院時から腰痛がひどく、化膿性脊椎炎疑いで腰椎MRI検査を行った。L3/4に炎症像らしい像を認めて、化膿性脊椎炎(椎体炎)が疑われた。
その後、軽快していた炎症反応が急に増悪した。アセトアミノフェンとNSAIDsを使用しているためか、発熱はなかった。腰痛の程度や全身状態は変わりなかった。
大学病院から整形外科の外来に来ている先生(整形外科常勤医が不在になってから週2回来ている)に相談した。造影CTで確認することになり、水曜日に行った。
結果は右腸腰筋に膿瘍があり、L3/4椎間板炎から連続していた。手技的に難しそうだが、ドレナージを要する。大学病院で治療してもらえることになり、転院搬送した。
腸腰筋膿瘍は以前に1例あったかもしれないが、当院としては珍しい。軽快していた炎症反応が途中で増悪(その後また軽快傾向へ)したのは脊椎での局所的な何かがあったのだろうか。