なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

反応性関節炎

2020年06月16日 | Weblog

 高血圧症・緊張型頭痛で通院している66歳男性は、毎回仕事と家事の疲労と日常生活での愚痴をこぼして帰る方だった。しかし2週間前の外来受診日はいつもとは違った。1週間前から両肩・手・手指関節痛がひどく、蹲踞からの立ち上がりもひどいと訴えた。

 また始まったと思う、という。忘れていたが、多発性関節炎が続いた既往があった。10年前に、全身の関節痛で大学病院のリウマチ膠原病を扱う内科に通院していた。9年前の春に、大学病院からの処方がなくなったということで、大学病院受診までにのプレドニン15mg/日を処方した。

 

 その年の秋に大学病院から診療情報提供書をもらってきた。診断は反応性関節炎とあった。何らかの感染症(泌尿生殖器?)によるはずだが、そこは確定していないらしい。処方はプレドニン10㎎/日になっていた。患者さんの解釈は、「大学病院でも診断がつかなかった」だった。

 通院が大変なので、地元のそちらでプレドニンを漸減中止して下さいという内容だった。春にプレドニン15mg/日で受診した時はCRP 6.2・血沈64/104mmだったが、紹介時はCRP 0.2になっていた。

 プレドニン10mg/日を継続して、炎症反応陰性化を確認しつつ、その後1mgずつ漸減して、次の年の12月に中止していた。患者さん自身は心気症傾向があり、漸減しようとすると不安がるので、予定したよりも長くなっていた。

 

 今回、何らかの感染症が先行したようでもない。患者さん自身も前回よりは関節痛が軽度だという。検査ではCRP2.7と軽度の上昇にとどまっていた。

 今回はプレドニンを何mgにするかで、患者さんとやり取りをした。このくらいでどうか、それでは少なすぎる、そんなに多くはいらない、・・・・ということで、前回の半分のプレドニン20㎎/日で開始することにした。

 2~3日内服して症状は軽快したという。2週間内服して、CRP0.0になっていた。もっと少なくてもよかったか。2週間おきに5㎎ずつ漸減して、その後の漸減は相談して決めることにした。

 リウマチ性多発筋痛症・RS3PEも考えたが、明らかな手指関節炎があり、違うのだろう。HbA1c6.4%の方なので、プレドニン投与で糖尿病が心配になる。

 なんだかステロイドを適当に安易に使用しているようで、あまり気持ちがよくない治療になる。これといった基準に従っての治療ではないので、経過をみながらやってみるしかない。

 

 

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