なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

自力で排膿

2021年11月24日 | Weblog

 11月18日に記載した93歳女性のその後。

 先月に急性腎盂腎炎で入院して、軽快後に右鼠経ヘルニア嵌頓で地域の基幹病院外科に搬送した。手術はしてもらったが、消化管穿孔から腹膜炎を来して抗菌薬投与が継続された。

 急性期病院に長く入院はできないといわれて、治療途中で当院に転院してきた。転院した日に胸腹部CTで確認すると、両側胸水貯留・無気肺と腹腔内脂肪織全体の炎症像を認めた。

 手術をした右鼠径部に軟部組織陰影の塊があり、術後変化なのかなのだろうかと思っていた。今日病棟に行くと、昨日から右鼠径部からの排膿がありますと報告があった。

 確かに同部位に3~4mmの穴ができていて、排膿していた。穴の周囲は発赤がある。転院日にCTで描出されたのは化膿巣で、次第に液状化した膿瘍となり、うまく表面側に流れてきたようだ。

 当院の(ひとり)外科医に相談すると、外側に流れているのはむしろいいんじゃないか、と言われた。抗菌薬はまだ投与中で継続する予定だ。穴を広げたりする必要はないので、そのまま経過をみるようにということだった。

 利尿薬投与で浮腫は軽減して、嚥下調整食3を食べ始めている。自力で排膿する力があれば、しだいに全身状態として軽快してくるのかもしれない。

 

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