なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

培養検査がなかった

2021年11月09日 | Weblog

 先週末は内科当番だった。内科は3名で、ひとりは産休明けの女性医師なので、当番には入っていない。2名で内科当番を組んでいる。自動的に週末は1週おきに当番になる。

 金曜日は外科常勤医が当直で、腹部疾患や尿路感染症は自分で診てくれる。肺炎でなければ内科に入院依頼はない。土曜と日曜は数少なくなった大学病院外科からのバイトで、2名が土日それぞれを日当直で担当してくれる。

 1日につき1名か2名は内科入院があるかと思ったが、まったく連絡がなかった。月曜日に病院に来ると、日曜日の朝に発熱の88歳女性が入院していた。

 院内にいた消化器科医が、どうせ1日分の指示は日当直医にお願いしているので、連絡は月曜日でいいんじゃないか、と看護師さんに伝えたらしい。(外来の看護師長から、日中は連絡してもいいんですよね、と確認された)

 

 病棟に患者さんを診に行った。内科クリニックに通院している方だが、3年前に動くのがひどくなって当院内科外来を受診していた。転倒して整形外科を受診したが、処方された湿布と鎮痛薬でよくならないということだった。 

 上下肢(帯)痛と炎症反応の上昇もあり、リウマチ性多発筋痛症(PMR)と判断された。比較的炎症反応は軽度なので(白血球7200・CRP6.1・血沈64mm/時)、プレドニン10mg/日で開始して症状は軽快した。

 プレドニンを漸減して、5mg/日で継続していたが、内科クリニックと当院両方に通院するのも面倒というので、その後の治療をクリニックに依頼していた。(2年間の治療とその後の1mgずつの漸減~中止の予定だったと記載した)現在のクリニックの処方を確認すると、すでにプレドニンは中止されていた。

 

 今回の発熱は胸部X線・CTで肺炎像がないことから、尿路感染症(急性腎盂腎炎)とされていた。尿所見は白血球5-9/HPF・細菌(3+)と所見としては弱かった。両側腎臓に多発性嚢胞があり、なりやすいのはあるかもしれない。白血球13700・CRP5.9と炎症反応は上昇している。

 動きは年齢なりで問題がなく、PMRの再発ではないようだ。ただ入院時に培養検査が提出されていなかった。血液培養は無理だろうが、尿培養は出ていると思ったが、出ていなかった。

 入院の連絡があれば、尿培養と可能ならば血液培養2セットを提出して下さいと伝える。採取は看護師さんなので、当直医にオーダー入力はしてもらえる。(可能ならばというのは、静脈からの採血が困難な時に、日当直医による動脈血採血までは要求しないということ)

 すでに前日セフトリアキソンが投与されていた。今更培養で菌が検出されないだろうとは思ったが、型通りに尿培養と血液培養2セットを提出した。

 血液培養は最近もっぱら使用している、翼状針に注射器を接続して、血管に刺す人と注射器を引く人の2人体制で行った。今回は動かないように抑える人もいたので、3人がかりだった。

 この翼状針を使用するやり方だと、動脈血でも簡単に採取できる。20ccの注射器に針をつけて血管から血液を引くのは、針先がぶれて途中で抜けやすい。

 

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