48歳女性は、喘鳴が聴取されず喘息かどうか確定できないが、咳発作がひどく継続するため、2回の入院となっていた。
昨年の5月に気道感染をきっかけに発症して、市内の医院から当院の呼吸器外来(大学病院から来ている専門医担当)に紹介された。
感染後咳嗽ともいえず、ずっと症状が継続していた。咳喘息として喘息に準じた治療を受けていたが、症状が続いて経口ステロイドが断続的に投与されていた。
気管支喘息今年になって続けて2回入院した。気管支や肺の癌や結核は否定されていた。症状は喘息の特徴に合致しているが、喘鳴がないと(自覚もしていない)、確定していいのか迷うことになる。
当方もおひとり同様の患者さん(中高年女性)がいて、呼吸器科が消滅して内科にまわってきてからずっと外来で診ている。アレルギーの既往と家族歴が濃厚な方だが、喘鳴は聴取されず自覚もない。ただ咳発作が喘息発作にように起こる。
症状がひどくて入院したこともある。喘息発作に準じた治療を行うと症状は軽快した。入院はあまりしたくないので、軽度の時は外来で短期間ステロイドの投与(プレドニン30mg/日を4日間)を行った。
地域の基幹病院呼吸器内科に紹介したこともあったが、喘鳴がないことから、興味をもって診てもらえなかった。確かに基本的は、咳喘息は軽度の喘息相当の治療で軽快するとしか記載されていない。
喘鳴もなく酸素飽和度の低下もないと、何が問題ですか、と判断されてしまうのは仕方ないか。今の治療で経過をみてくださいとあっさり戻された。最近は幸いに症状が安定しているが(治療はICS/LABA、LTRA)。
こちらの入院している患者さんは、外来で診ている先生が抗体製剤を使ってみたいと言っていた。喘息の抗体製剤は4種類あるが、抗IL-5抗体のメポリズマブ(ヌーカラ)を考えているという。
当院では呼吸器科常勤医はいないので、抗体製剤を使用するような患者さんは呼吸器科のある病院に紹介するつもりでいる。外来で使う分にはいいのかもしれないが、入院になった時に内科で診るので自信がもてない。
入院中はステロイド(デキサメサゾン)の点滴からプレドニン内服に切り替えて、呼吸器外来に戻すことにした。前回退院時はプレドニン10mg/日で退院にしたが、今回は20mg/日で外来に回すことにした(退院3日目に呼吸器外来受診)。
この週末は「喘息治療の変え方、使い方 ver.2」を読んでいた。ガイドラインではわからない薬剤の実態(使い方のコツ)がわかる本だ。