なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

低蛋白血症

2021年11月17日 | Weblog

 火曜日に地域の基幹病院泌尿器科から84歳女性が転院してきた。今回は脱水症・急性腎盂腎炎で入院していた。点滴・抗菌薬投与で軽快したが、経口摂取ができない状態が続いていた。

 夫と二人暮らしで、7月から経口摂取は難しくなり、寝たきり状態になっていた。夫は自分が食べさせると(少し)食べるが、施設にデイサービスに行くと食べなかったとして帰ってきたという。

 転院直前が酸素飽和度が低下して、酸素吸入を開始したという情報が来ていた。泌尿器科なので、尿路感染が治ったので終了とことなのだろう。病棟看護師さんと、来てみないとどんな状態なのかわからないと話していた。

 来て見ると、確かに寝たきり状態で呼びかけると開眼するが、あとは閉眼している。全身に浮腫があり、下肢(足関節近くの静脈)に点滴ラインがあった。そこが漏れると血管確保は大変そうだ。

 その日のうちに血液検査をすると、血清アルビミンが1.4g/dlと著明な低蛋白血症(低アルブミン血症)だった。胸腹部CTで両側の著明な胸水貯留があった。心不全というよりは低蛋白血症によるようだ。頭部CTでは脳委縮・脳室拡大があるが、脳浮腫もあるのかもしれない。

 

 診療情報提供書には脱水症・急性腎盂腎炎で入院して軽快したこと、食事摂取ができないことだけが記載されていた。夫に訊くと、老衰であることが伝えられて、病状悪化時はDNARの方針と言われていたそうだ。

 血管確保の問題もあり、中心静脈カテーテルを挿入して高カロリー輸液にして、利尿薬を投与するしかない。うまく治療できて病状が安定すれば、療養型病床のある病院へ継続治療を依頼する(当院は一応DPC病院)。

 

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