地域の基幹病院から転院してきた、大腸憩室出血を繰り返す96歳男性のその後。
白血球増加・血小板増加があり、先方の病院で血液内科医(大学病院から週1回来ている)に相談していた。MDS/MPNが疑われるが、(超)高齢者であり、精査も躊躇われるのでそのまま経過をみるということだった。
最初、骨髄異形成症候群(MDS)か骨髄増殖性腫瘍(MPN)のいずれかが疑われるという意味かと思ったが違った。骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍myelodysplastic/myeloproliferative neoplasm(MDS/MPN)というカテゴリーがあるのだった。
確かに白血球増加・血小板増加があり、骨髄球・後骨髄球が見られる点では慢性骨髄性白血病を思わせるが、好塩基球は目立たない。貧血は憩室出血の影響があるので判断し難い。
当院転院後も憩室出血が2回あったが、少し落ち着いたところで、骨髄穿刺を行った。解釈はできないので、検体採取後は検査会社に提出するだけになるが。
結果は、そのまま骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍とされていた。骨髄穿刺をした意味があまりなかった。慢性骨髄性白血病ならば、慢性期の治療ができるかもしれないと思ったが、この結果ではやりにくい。
幸いにその後は大腸憩室出血は治まっている。