なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

抗精神薬の使い方

2021年11月11日 | Weblog

 内科の病棟で叫び声が廊下に鳴り響いていた。70歳女性が脱水症で入院していた。内科の若い先生が担当している。

 精神障害者のグループホームに入所していて、そこは主に精神遅滞の方たちが住んでいる。ふだんは精神科病院に通院していた。

 処方は、セロクエル25mg錠を6錠分3、デパケン1000mg/日などで、ヒルナミン25mgは屯用で出ているらしい。精神科らしい処方ではある。

 食事をとろうとしないので、精神科病院でも困っていたと言う話もあった(看護師さん情報)。脱水症(高張性)で入院して、点滴をしていたが、何しろ大声で叫んで動くので抑制されていた。内服で薬の投与ができないので、経鼻胃管を挿入して注入していた。

 あまり好ましくない対応だが、それではどうするかというと、対応は難しい。精神薬を増量しないと、難しそうだ。精神科の方が得意だと思うが、精神科単科病院だと食べない患者さんには対応できない。

 それでも看護師さんの話では、液体は摂取するという。むしろ勢いよく飲むので危ないくらいだという。両手が活発に動くので、介助での経口摂取に苦労している。

 液体は摂取できるのならば、嚥下障害という問題ではない(液体の摂取の方が難しいから)。経口で栄養剤を飲んでもらったらどうか。小柄で痩せているので、1日3缶も飲めれば栄養的には問題ない。気が向けば、通常の食事も食べるかもしれない。

 別の抗精神薬を少しずつ追加して、就寝前にはデジレルを追加でどうだろうか。

 最初話を聞いた時は、水ばかり飲んでいたということだった。ありがちな水中毒で低ナトリウム血症かと思ったら、逆に高ナトリウム血症だった。

 

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