なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺癌で死亡

2013年03月21日 | Weblog

 肺癌で緩和ケアをしていた70歳台半ばの女性が、朝から意識が低下して血圧も低下してきた。そのまま点滴を継続していたが、昼過ぎに亡くなった。関節リウマチと脳出血後遺症があり、施設に入所していた。浮腫で外来を受診して、喘鳴もあって当初は心不全かと思われたが、CTで右肺門部に癌があった。がんセンターにセカンドオピニオンとして家族が資料をもって相談に行ったが、癌に対する治療はできないので、緩和ケアのみという判断だった。入院して点滴やステロイド投与で経過をみていたが、今朝から悪化してお昼に亡くなられた。外来を診たり、処置をしたりと、あわただしく外来と病棟の間を何度か往復した。

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いまのところ平和な日直

2013年03月20日 | Weblog

 今日春分の日は日直で病院に出ている。小児の感染性胃腸炎や大人の発熱などパラパラと受診してくるが、数は多くない。産婦人科で緊急帝王切開の手術が始まり、産婦人科の先生方が呼ばれて病院に来ていた。病棟も落ち着いていて、内科診療は気持ち悪いくらい平和だった。この調子で当直の神経内科に引き継げるだろうか。

 中外医学社の「診かた・考え方」シリーズをずっと購入している。今回は「心電図のみかた、考え方」が出たので早速買ってきた。著者は大学院生と書いてあって、驚いた。香坂俊先生の「もしも心電図が小学校の必修科目だったら」も買った。アマゾンで見るとかなり売れているようだ。

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ノロウイルスの感染性胃腸炎

2013年03月19日 | Weblog

 施設から79歳女性が嘔吐下痢で搬送されてきた。ノロウイルス迅速試験が陽性で、感染性胃腸炎だった。もともと統合失調症があるらしいが、四肢が拘縮して寝たきり状態となっていた。

 今年の1月に全身の浮腫で外来を受診していた。低蛋白血症があり、消化管の吸収不良と蛋白の摂取不足によると思われた。少量の利尿剤に胃腸薬を混ぜて、タンパク質を補助食品でとってもらったところ、かなり浮腫が改善した。今日診てもほとんど浮腫はなくなっていた。ただし、今回点滴が多すぎると、浮腫が悪化しかねないので、輸液量は慎重に決めていく必要がある。

 痰がからんで、嘔吐による誤嚥性肺炎が疑われる。今日の胸部X線でははっきりした肺炎はないが、数日後に出現する可能性もある。その旨も家族に伝えて入院とした。

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汎血球減少症であわてる

2013年03月18日 | Weblog

 77歳男性だ発熱で救急搬入された。肺炎や尿路感染症はなさそうで、感染巣としては不明だった。血液検査で血小板数1.7万と著しく低下していた。白血球数は2200と低下して、Hbは11で軽度に低下している。血清フェリチンはまったく正常で、感染症に伴う血球貪食症候群ではない。LDHが上昇して他の肝機能検査は正常域だった。白血球分画で骨髄球が出現していたが、明らかな芽球は見られなかった。急性白血病などの骨髄疾患が疑われた。骨髄検査が早急にできる(鏡検して診断できる)施設に送る必要がある。救急外来担当は循環器科医だったが、血液内科のある病院に電話をかけまくって、5か所目で受けてもらえた。他の救急患者さんを搬送してきた救急隊に折り返し搬送を依頼した。

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そんなけいれんはない

2013年03月17日 | Weblog

 坐骨骨折で整形外科に入院した95歳女性が、食欲不振ということで内科に回ってきた。食欲不振といっても好きなものを自分の好みで食べるので、入院しているほどではない。気候が良くなるまでいて、退院にする予定とした。認知症で、何か気にいらないと大声を上げる。普段から振戦があり、興奮するとよけいに目立った。今朝病院から電話がきた。若い病棟看護師で、全身がけいれんしているという。意識はというと、目をつぶっていてよくわからないらしいが、頭部はけいれんしていない。バイタルは安定して、酸素飽和度も正常だった。全身けいれんでそんなことはない。興奮したために、振戦が目立つだけと思われた。長くは続かないので、様子を見てもいいし、気になるときは安定剤をごく少量筋注していいと伝えた。その後連絡もないので、治まったのだろう。

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糖毒性解除して経口剤へ

2013年03月16日 | Weblog

 右中大脳動脈の脳梗塞で左片麻痺となった40歳男性がリハビリ病棟に入院している。脳梗塞で入院した基幹病院で糖尿病を指摘された。HbA1cが13%と高値だった。さっそくインスリン強化療法が開始された。リハビリにため当院神経内科に転院してからは内科で糖尿病治療を担当していた。Cペプチドは6と充分な自己インスリン分泌があった。肥満があり、インスリン抵抗性が高いと判断される。インスリンにDPP-Ⅳ阻害剤のジャヌビアも併用されていたが、、これにメトホルミンを追加した。当初は250mg錠を2錠分2で開始して4錠分2へ増量した。毎食前血糖が130mg/dl前後になり、超速効型のノボラピッドを中止して、さらに持効型のランタスも中止した。ここでSU剤を追加するかどうか迷うが、いったんアクトス15mgを追加して経過をみることにした。1600Kcal/日の食事療法とリハビリで順調に減量してきた。

 生下時からの脳性麻痺に数年前脳梗塞を併発した50歳台男性も、いつの間にか太ってしまい、HbA1cが13%の糖尿病になっていた。入院後にやはりインスリン強化療法を2週間行った。血糖が下がったところで、ジャヌビアを併用して、インスリンを減量中止した。メトホルミンも追加した。もともと自己インスリン注射はできない患者さんなので、当初から糖毒性を解除するまでのインスリンだった。内服薬の管理もきちんとできるかどうかわからないいので、多少血糖が高くてもSU剤は避けたいところだ。ジャヌビアとメトホルミンで血糖コントロール良好となり、退院した。

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なかなか病棟は安定しない

2013年03月15日 | Weblog

 昨日は肺癌終末期の75歳女性の点滴が困難となって、CVカテーテルを挿入した。持続点滴とステロイドの投与で病状は低め安定となった。好きなものを少しずつ食べている。あと1か月は持たないと思われるが、平穏な日々を過ごさせたい。

 今朝の病棟は2名の退院患者さんもいて、安定していた。昼前から誤嚥性肺炎で入院していた86歳女性の呼吸状態が悪化した。誤嚥性肺炎で入院して、治癒後に再発して、それも治っていたが、再々度の再発だった。寝たきりの経管栄養で、これまで何とか在宅介護を受けていた。時々誤嚥性肺炎で入院していたが、治って退院していた。今回はどうもダメなようだ。個室に移して家族に見込みがきびしいとお話しした。来週の月曜日まではもたないかもしれない。80歳台を中心に90歳台、さらには101歳の患者さんもいるので、全員が安定した状態になることは難しい。

 関係ない話だが、女優の香山美子さんがリカちゃん人形のモデルという記載があったが、本当なのだろうか。香山さんといえば、おじさん世代にはテレビ番組の銭形平次で長年女房のお静役をしていた方だが。

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意外に治っている

2013年03月14日 | Weblog

 先週施設からの紹介で入院した精神遅滞のある72歳女性は、入院後に喘鳴が続いていた。胸部CTで、放射線科医の読影所見は肺浮腫になっていた。BNPはそれなりには上昇して、両側下肢にはひどくはないものの浮腫を認めた。循環器科に心エコーを依頼すると、EFは55%で有意な弁膜症・心筋症はなかった。心不全とは言い難いので、CTの所見は感染による陰影ではないかとコメントが付いてきた。

 なんだか判断に迷うが、抗菌薬を点滴静注して、もともと少量の経口利尿剤が入っていたが、ラシックスとソルダクトンの静注を数日続けてみた。感染による気管支喘息か心臓喘息か鑑別できないが、ステロイド(デカドロン)の点滴静注も入れた。利尿がついて、しだいに喘鳴は軽快してきた。通常の胸部X線では判断できないと考えて、今日また胸部CTを検査した。肺浮腫とされた陰影はほとんど消失していた。

 やはり気道感染による気管支喘息だけではなく、肺浮腫・心臓喘息の要素も大きかったと思われた。微熱が出たりひっこんだりで、一定しないが、炎症反応は軽減していた。あとは終息へむかって、抗菌薬投与をどのくらい継続するか(1週間か10日だろう)、ステロイドに漸減注中止、利尿剤の経口剤への切り替えの判断だ。

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久しぶりのリウマチ性多発筋痛症

2013年03月13日 | Weblog

 高血圧症・糖尿病で通院している81歳女性が予約日の今日内科外来を受診した。2週間くらい前にころんで、左大腿部を打撲したという。歩くのが大変そうだったので、詳しく聞いてみると、両側上肢から肩の痛みで両手が上げにくくなり、すわるのも、そこから立ち上がるのもつらい状態になっているという。整形外科を受診してNSAIDが処方されていたが、症状は変わらない。把握痛ははっきりしなかった。CKは正常域だった。血液検査にCRPと血沈、さらに抗CCP抗体と抗核抗体(外注)を追加した。白血球数、CRP、血沈はいずれも増加・亢進していた。

 81歳なりのようでもあるが、この方は「体操の先生でした」という元気な方だった。ふだんは、テレビの時代劇を1時間を見ている時以外は、ずっと1日中動いているという。発熱はなかった。食欲はあり、うつ状態ではなかった。頭痛もない。ここしばらく新規発症の方がいなかったが、リウマチ性多発筋痛症のようだ。1週間プレドニン15mg/日を内服してもらって、来週また診察することにした。糖尿病でDPP-Ⅳ阻害剤とメトホルミンを内服しているが、プレドニン長期投与でどのくらい血糖が上がるかが問題だ。

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急に眠気が襲ってくる

2013年03月12日 | Weblog

 30歳台男性が2週間前から日中に急に眠気が襲ってくるという訴えで内科新患を受診した。1日に1回から2回あるが、なんとか頑張って寝てしまわないようにしているそうだ。睡眠はまずまずとれている。いびきをかく妻に指摘されてはいるが、呼吸が止まるとは言われないという。体型的には太ってはいない。8年前からパニック障害で精神科クリニックに通院していて、パキシルを内服して発作時はコンスタンを頓用にしていた。住所が変わった3年前から受診しなくなっていたが、自分でもパニック障害とわかっているのでどれほど気にならなくなっていた。それでも1か月前から別の精神科クリニックに通院してパキシルをもらっていた。頓用でもいいと言われていて、なくなったら受診するという。

 睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるが、ナルコレプシーが疑われる。ただし、ほとんど経験がないので、よくはわからない。まずはかかりつけの精神科クリニックで相談するよう勧めて、睡眠時無呼吸症候群の外来がある病院も教えておいた。

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