昨夜の当直は外部の病院の先生だった(この先生が一番長い)。午前7時半ごろに連絡が来た。血圧が200で頭重感・嘔気を訴える67歳女性の入院治療依頼だった。慣れたもので、ジルチアゼム(ヘルベッサー)の点滴静注をして血圧は160程度まで下がっているという。引き継いでからは、ジルチアゼムを漸減中止して、ベニジピン7(コニール)内服で治療することにした。以前から高血圧を指摘さていたが、放置していたそうだ。
今日日直なので病院に出てくると、当直医がもうひとりお願いしますと言う。認知症のBPSDで通院している88歳男性が、数日間からの食欲不振で点滴をしていた。2日前に内科外来に来て、点滴を受けて、内科の若い先生に入院経過観察を勧められたが、断って帰宅していた。家族も今日は入院を希望していた。
血液検査で低ナトリウム血症は少しあるが、大きな異常はない。胸腹部CT、さらに頭部CTで食欲不振をきたすような異常はなかった。点滴2本/日で経過をみることにした。家族が困っていたBPSDはグラマリール+セロクエルである程度改善している。
施設から発熱・食欲不振の99歳女性が紹介されてきた(正確には嘱託医の指示で看護師さんが連れてきた)。左肺下肺野背側に浸潤影があり、誤嚥性肺炎と判断された。肺炎は軽快すると思うが、経口摂取できないまま経過する可能性がある。めでたく100歳を迎えさせたいが、あと7か月ある。
息子と二人暮らしの86歳男性は、近くの病院に通院してドネぺジル(アリセプト)の処方を受けていた。息子はトラックの運転手で昨日から泊りがけで仕事に出ていた(長距離トラックだろう)。昨日の夕方に娘(別居)が電話した時には、ちゃんと電話に出て話をしたそうだ。今日実家を尋ねると、寝室にしている部屋で倒れているのを発見して救急要請した。地域の基幹病院とかかりつけの病院が受け入れできなかったそうで、当院で引き受けることにした。
左半身不全麻痺があった。開眼して会話はできる。名前と生年月日は言える。大雑把な住所は言えて、病院に来ていることはわかっているが、現在の年月日はわからない。これは意識障害ではなく、認知症のためだろう。頭痛はなく、脳梗塞が疑われた。頭部CTで出血はなく、梗塞巣は指摘しがたい。案外動かずにいて頭部MRI検査がちゃんとできた。右内包後脚に梗塞巣が描出された。
急性期の治療後にリハビリを行うことになるが、自宅に戻すのは難しそうだ。脳梗塞だと回復期リハビリ病棟に長く入院できるので、施設入所待ちになるのだろう。
今日は病院に泊まって明日まで待機する。