なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

PTLS

2018年11月20日 | Weblog

 先月の初め、医局のラウンジにPTLSコースの募集の紙が貼られていた。毎年来ていたのか、記憶にない。シミュレーションで心嚢穿刺をやってみたかったので申し込んだ。地域医療研修で来ている内科専攻医に訊くと、初期研修医の時に受けましたという。

 申し込んだが、なかなか返事が来ない。結局1週間前に日程表とテキストが送られてきた。実技の都合で、土曜日1日で終わる場合と、日曜日まで2日かかる場合があるので、予定が立てられず困っていた。

 一昨日の日曜日に行ってきたが、初期研修医以外で申し込んだのは当方ともう1名のドクターで、その方は欠席だった。

 シナリオごとの臨床実習はなかなか次の手順が出てこなかった。年配医師相手ということで、指導教官がこの症状なのでどうしますか、次はどうしますかと助けてくれた。気を遣わせてしまって申し訳ない(さすがに研修医ように怒鳴れなかったのだろう)。

 まごまごしてしまって、2人1組のチームを組んだ研修医に迷惑をかけてしまった。その先生は県内有数の総合病院の2年目研修医で、てきぱきとこなしていた。(テキストは2回読んだが、頭に入っていない)

 とりあえず、心嚢穿刺のシミュレーションをさせてもらえて嬉しかった。時間の関係でエコーガイドでなかったのが、残念。実際にやるかと言われれば、他に誰もいないどうしようもない状況ならエコーガイドでする。緊張性気胸で、胸腔ドレーン挿入の前に緊急で行う第2肋間鎖骨中線に直接注射器を刺す手技も、実際はやったことがないので(幸い緊張性気胸に当ったことがない)、いい経験だった。

 土日に大学病院から日当直に来ている外科の大学院生は、外傷患者さんが搬入されると、きちんとFASTをしていた。院内のベテラン外科医はバイタルに問題なければ(多少あっても)、全身CTで判断している。

 元聖マリアンナ医科大学救急医学教授の箕輪良行先生が講義・指導に来ていたので、テキストにサインしてもらった。研修医の先生方はテキストの著者ということはわかってもピンときていないようだ。当方が若いころは救急と言えば箕輪先生で、(羊土社御用達の?)憧れの先生だった。アメリカのテレビドラマERに出てくるドクターグリーンに似ていると思っていたが、実際にお目にかかるとやっぱり似ている。

 PTLSコースは15年前から始まったそうだ。今時は研修医の教育が充実していてうらやましい。

 

 Primary-care Trauma Life Supportー元気になる外傷ケア

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双極性障害

2018年11月19日 | Weblog

 先週の木曜日に、当院の糖尿病外来(担当医は大学病院からのバイト)に通院している68歳女性が救急搬入された。1週間前からずっと喋り続けていて、会話が成り立たなくなり、夫が手に負えなくなって救急要請した。救急隊が通院している精神医療センターに連絡すると、まず身体的な異常がないか近医で診てもらうようにという指示だった。

 当院に搬入されて、その日救急当番だった整形外科医から連絡が来た。検査では薬も中断するので、血糖がふだんより高めだが、特に問題となる異常はなかった。センターの精神科主治医に連絡すると、入院ベットがないので、来週の月曜日に外来に寄こしてくださいという返事だった。いつもの(?)体幹抑制・個室管理で対応した。

 入院後ブドウ糖混合の点滴も入れたが、食事摂取できるようになった。週末なので念のためブドウ糖なしの輸液を少し入れていたが、食事摂取8~10割になっていた。中断していた抗精神薬を再開したのが効いてきたのかもしれない。もっとも気分調整薬はなく、抗精神薬自体も古典的なもの少量だった。入院してから当院でデパケンも追加してみた。

 今日外来を受診して、そのまま精神科入院となった。あまり入院させたくなかった様子だが、夫の訴えで入院にしてくれたようだ。

 

 当院に入院したのは昨年が1回、今年が2回になる。昨年は内科の若い先生が担当した。精神科的な症状は3回とも同じだが、その時は高血糖高浸透圧症候群も併発していた。精神的に不安定になると、食事をとらず、菓子類や果物をずっと食べていたことが影響した。一時的にインスリン点滴静注からインスリン強化療法を行ったが、その後血糖は安定して、インスリンは中止された。自己インスリンは充分にあり、経口血糖降下薬のみで治療可能だった。その時は精神科にうつ病として通院していて、抗精神薬の追加投与で症状が安定していた。

 今年の3月は当方が担当して、これはうつ病じゃなくて、躁うつ病(双極性障害)だろうと判断して、デパケンを使用した。抗精神薬(リスパダール)も併用していたが、前の入院の時よりは少量で済んだ。躁うつ病と思われますがと診療情報提供書に記載したところ、躁病エピソードがあるので躁うつ病として対応しますという返事がきた。

 その後不安定になって精神科に入院したこともある。そして今回の悪化だった。今日内科外来(再来)を診ていると、精神科病院の主治医から連絡がきた。糖尿病のことを細かく訊かれたので、できるだけわかりやすく説明した。もっとも糖尿病の処方はDPP4阻害薬+メトホルミンなので、低血糖の可能性も低くあまり問題はない。

 精神科単科病院なので、身体疾患があると嫌がるのは無理もないのだった。県内では精神科救急に対応できる体制はまだ整備されていない。ちょっと前に県内有数の総合病院で精神科救急をやろうとした。精神科医少数で開始したので、疲弊してしまい、すぐに破綻したそうだ。

  

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急性発症の糖尿病

2018年11月18日 | Weblog

 木曜日に内科医院から75歳男性が体重減少で内科新患に紹介された。外来を担当していた先生(大学病院から来ている大学院生)から血糖が高値で入院治療をお願いしますと連絡がきた。血糖452mg/dl(ほぼ空腹時)、HbA1c7.9%だった。血糖とHbA1cが解離している。尿ケトン体(3+)。

 先月までは月3回くらいゴルフをするくらい元気な方だった。先月ゴルフ中にいつもより疲れるような気がしたそうだ。今月になってから(10日くらい前から)、明らかに疲れを感じるようになり、食欲低下・体重減少(5Kg)があった。口渇・多飲・多尿が続いた。

 9月に健診を受けていて、HbA1c5.7%だった。ここ4年間はHbA1c5.5~5.7%で推移している。2か月弱で糖尿病になったとする劇症1型?。腹痛はなく、膵酵素は正常域だったが。血液ガスはpH 7.335・HCO3 15.8と、軽度だが代謝性アシドーシスを呈していた。

 インスリン持続点滴も考慮したが、点滴1本目で血糖が300mg/dl台になったこともあり、インスリン強化療法にした。点滴は細胞外液で週明けまで持続する。1日は2単位/時くらいの少量でインスリン持続点滴をした方がよかったかもしれないが。

 翌日の金曜日は普通に食事摂取できていた。持効型のトレシーバを入れて、当面の毎食分はヒューマリンRにした。血糖改善後はヒューマログに変更する。

 CA19-9が軽度上昇を認めたが、腹部エコーでは膵臓に異常を指摘できなかった。これはどういう病態なのだろうか。

 

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膵性糖尿病

2018年11月17日 | Weblog

 1週間前の先週木曜日に、糖尿病外来の先生(大学病院糖尿病科)から、70歳男性の糖尿病教育入院をお願いしたいと連絡が来た。その日内科クリニックからの紹介で外来を受診していた。随時血糖439mg/dl・HbA1c13.8%。

 現病歴を見ると、健診は毎年受けていたらしい(本人の話)。3年前に初めて糖尿病を指摘されたが、受診していない。2年前に8Kgの体重減少があり、内科医院を受診した。HbA1c15%。経口血糖降下薬(内容は不明)でHnA1c7%まで改善したが、倦怠感や口渇やなくなったので治療を中断した。今年の8月に別の医院を他の症状で受診した際に、HbA1c8%と指摘された。そこはかなり高齢の先生なので、今回紹介してきたクリニックへ紹介された。食事療法で様子をみていて、HbA1cが13%になったので、当院へ紹介されたという経緯だった。

 7年前に当院消化器科に重症膵炎で入院していた(アルコール性)。膵頭部に石灰化があり、すでにアルコール性慢性膵炎になっていたので、急性増悪になる。門脈から脾静脈にかけて血栓症もあった。何とか軽快治癒して退院した。その時は糖尿病にはなっていなかった。

 内科クリニックの紹介状にも、糖尿病外来の先生も、その既往は記載されていないので、患者さんが話していなかったらしい。患者さんにその話をすると、入院したことはしぶしぶ認めたが、病名は聞いていないという。重症の膵炎となっていますがと言うと、診断はつかないと言われたと主張する。急に顔つきが険しくなった。

 単に症状もないので面倒で治療を中断するというだけではなさそうだ。話題を変えて、社会歴を訊くことにした。高校卒業後に就職して、同じ仕事を40年務めている。家族は現在は妻と二人暮らしで、子供は別に住んでいる。立派に社会生活をしてはいる(でも変だ)。

 当面の糖尿病の話だけすることにした。食事摂取も良好で診たところは元気で動きも良い。入院ではなく、外来でインスリン導入することにした。インスリン注射が必要なことは案外すんなりと受け入れた(しないと言われても困るが)。持効型のトレシーバ6単位から開始することにした。

 翌日も外来で指導して、問題なく注射手技はできた。初診時の検査でCA19-9が軽度上昇していたので、膵癌検索として今週の火曜日に外来で造影CTを行った。膵頭部の石灰化は増加していた。主膵管は不整があるかもしれないが、有意な拡張はなかった。膵癌はない。

 ヒューマログ毎食直前3単位ずつを追加して、インスリン強化療法を開始した。2回目の受診の時から血糖自己測定も練習していた。最初指先から出す血液が少なくて何度かエラーが出たが、それも習得した。

 腫瘍マーカー上昇があり、消化管の検査も行いたいというと、症状がないので必要ないと言われた。少なくともCTで明らかな腫瘤はないので、また改めて勧めてみることにした。

 持効型インスリン少量を始めただけでも、体調が良くなったという。お世辞なのか、本当なのかわからないが。外注検査で血中Cペプチドは0.87ng/mlと低下して、インスリン依存状態相当だった。

 

 

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ネフローゼ症候群

2018年11月16日 | Weblog

 昨日に昼に、泌尿器科医(非常勤)から56歳男性のことで相談された。患者さんは2~3日前からの(患者さんの話)陰嚢水腫で泌尿器科外来を受診した。全身浮腫があり、胸部X線・CTで胸水も認めた。血液検査で低蛋白血症があり、尿蛋白(3+)。泌尿器科の問題ではないので、どこに回したらいいかということだった。

 知的障害があり、グループホームに入所している。その日は看護師さんが付いてきていた。健診もしていて、これまで二次検査になるような異常はなかったらしい。急性あるいは亜急性の発症になる。先月末から浮腫はあったそうだ。

 血清総蛋白4.5g/dl、血清アルブミン0.9g/dlで、あとで追加してもらった尿蛋白定量は16g/gCrだった。BUN 32.5・血清クレアチニン1.49と腎障害があり、WBC 6700・CRP 1.0だった。ネフローゼ症候群は間違いない。

 当院には腎臓内科はないので、腎臓内科にある病院に紹介になる。すぐに診てもらえるのはちょっと遠方になるが、腎センターのある専門病院しかなかった。バイタルは安定していて、酸素飽和度も94~100%(室内気)あった。救急搬送というほどではないが、胸水貯留に肺うっ血・水腫も少しあるので、治療は早い方がいい。

 地域医療連携室から問い合わせてもらうと、翌日の外来なら受診できるが、急ぐ時はドクター同志で相談して下さいと言われた。さっそくつないでもらうと、今日来てもらってもいいですと言ってくれた。施設職員が連れて行けるということで、さっそく受診してもらうことにした。

 患者さんは車いすに座っていたが、ふだんADLは(見守りがあれば)自立しているそうだ。責任者はおばさんになっているいうが、80歳前後と思われるので、病院にいってもらえるかどうか。

 

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悪性貧血

2018年11月14日 | Weblog

 先週の月曜日に内科新患を受診した73歳男性のことで、内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)から相談された。主訴は2か月前からの両下肢の浮腫と易疲労感だった。

 血液検査で、RBC 95万・Hb 4.3g/dl・Ht 13.1%・MCV 137.5の著明な大球性貧血があった。WBC 3800・血小板数12.4万と軽度に減少している。汎血球減少相当だった。白血球分画は問題ない。LDH 879と上昇していた。BNP409.7と増加して、胸部X線で心拡大を認めた。

 心不全状態だが、心肺機能の問題ではなく、貧血によるものと判断された(心臓エコー施行)。MCVがここまで高値を示すのは、巨赤芽球性貧血だろう。胃切除術の既往はなく、悪性貧血に相当する。

 ビタミンB12は外注検査になる。入院でビタミンB12の投与だけでは間に合わないと判断して、2日間2単位ずつ輸血した(輸血量が多いと心不全の負荷になる)。同時にビタミンB12の投与も開始した。輸血後にHb 6.5g/dlとなり、その2日後にはHb 8.4g/dlと上昇してきた。

 治療前の血清ビタミン12は測定感度以下だった(葉酸値は正常域)。胃内視鏡検査は萎縮性胃炎のみ。ビタミンB12の連日投与を隔日にして、あとは外来通院となった。

 悪性貧血は数年にひとりくらいの割合でみかける。骨髄穿刺をやってもよかったが、若い先生があまり乗り気ではなかったのと、MCVからまず間違いないと判断されたので、今回は施行しなかった(ビタミンB12の値と治療反応性をみて、必要があれば骨髄穿刺としていた)。

 

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両側声帯麻痺

2018年11月14日 | Weblog

 入院している80歳男性が、月曜日に吸気時喘鳴を呈してた。酸素飽和度も一時的に少し経過していた。

 この患者さんは誤嚥性肺炎で入院して、肺炎自体は抗菌薬投与で軽快した。ST(聴覚言語療法士)介入で嚥下訓練を行ったが、経口摂取は無理と判断された。家族と相談して、胃瘻造設を行ったが、栄養剤注入開始前にまた肺炎になって、再度肺炎の治療をしていた。それもやっと軽快して、改めて経管栄養を開始しようとしていた矢先だった。

 舌根沈下を疑って経鼻エアウェイを挿入してみた。一瞬良くなった気がしたが、結局変わりなかった。耳鼻咽喉科医に依頼すると、病室まで喉頭鏡を持ってきて診てくれた。「両側声帯麻痺で正中位固定されている」と診断された。早急に処置が必要ということで、気管挿管を行った。酸素飽和度は改善した。

 診察やこれまでのCTでは頸部胸部の悪性腫瘍はない。両側麻痺なので、悪性腫瘍ならば広範囲に進展しないとこうはならないか。頭部CTでは著名な脳萎縮があるが、局所的な脳梗塞はない。かなりやせているが、栄養の問題なのか、神経筋疾患が潜在しているのか判断がつかない。

 この方は奥さんと娘(と孫)と生活している。介入している行政からの情報で、娘さんは精神的に問題があるということだった。話をした限りでは統合失調症ではないようで、理解力に疑問があることから軽度の知的障害なのかと看護師さんと話していた。

 病院に救急搬入された時、すでに1週間前から食事摂取ができなかった。たまたまその日はデイサービスに行っていて、酸素飽和渡低下に職員が気づいて救急要請した。自宅にいたら、呼吸苦を訴えることもできないのでそのままになっていたはずで、危なかった。

 患者さんは搬入されたが、奥さんも娘さんも連絡がつかず、連絡がついても今日は病院に行けませんという返事だった。近所に住んでいる市議会議員さんが、自分の車で家族を連れてきてくれた(行政で以前から注意している家族らしい)。

 肺炎のコントロールがつけば、1週間後には気管切開をしなければならない。胃瘻造設の時も、それでお願いしますとあっさり言われたが、どこまで理解されているのだろうと看護師さんと話していた。今回は電話は通じたが、今日は行けませんと言われた。

 2日後の今日娘さんが病院に来てくれた。びっくりした様子もなく、淡々と説明を聞いていて、(お金と手段の問題で)すぐは病院に来れないと言っていた。患者さんは今回のエピソードでまた誤嚥した可能性がある。挿管チューブが1週間は持つので(ぎりぎり2週間か)、その間に治療で見込みがつけば、気管切開を考慮する方針とした。

 

 

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低血糖

2018年11月13日 | Weblog

 日曜日の日直で意識障害の53歳男性が救急搬入された。日直は神経内科医。血糖33mg/dlと低血糖があり、グルコースの投与で意識は改善した。胸部X線・CTで左肺炎(上葉下葉の背側に陰影散在)もあり、入院になった。

 月曜日の朝に神経内科医から、この患者さんを内科扱で入院させていると言われた(翌日までの指示を出してくれていた)。日曜日の内科当番は内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)だったが、訳ありの患者さんと判断したらしく当方に持ってきたらしい。

 この患者さんは3年前に両側下腿の壊死で外科に入院していた。糖尿病・高血圧症・脂質異常症はない。1日40本の喫煙者で、閉塞性動脈硬化症(ASO)よりは閉塞性血栓血管炎(TAO)だったのかもしれない。いよいよ動けなくなっての救急搬入で、外科に入院してすぐに両下腿切断術(膝下)が施行された。リハビリや義足装着は希望せず、2か月半の入院で退院になっていた。

 その前にはアルコール依存症で専門病院に入院した既往があった。退院後は禁酒しているという。喫煙は退院後も続けていたが、最近はやめているそうだ(本人の話)。

 搬入時の血液ガスでpH 7.258・PaO2 70.3・PaCO2 37.4・HCO3 16.1・BE -9.6と代謝性アシドーシスを呈していた。てっきりアルコール性かと思ったが、γ-GTP 50と正常域で飲酒はしていないようだ。

 CT画像上は肝硬変とはいえないが、アルコール性肝硬変になっている可能性はある。搬入前の2日間は嘔気があって食事摂取できなかったので、肝臓の問題(グリコーゲン低下)で低血糖に陥りやすいのかもしれない。入院後は食事摂取できて低血糖にならなかった。

 入院後に高熱になったが、抗菌薬投与(セフトリアキソン)で解熱している。そのまま退院するつもりだったらしいが、肺炎があるので1~2週間は入院になることを伝えると、しぶしぶといった感じで了承された。話をすると、険しい雰囲気になる方だった。確かに当方向きの患者さん?。

 

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腎破裂

2018年11月12日 | Weblog

 土曜日の日直の時に、外科に16歳男性(高校生)が2人搬入されていた。お昼に医局のラウンジに戻った時に、診察した外科医から見込みがはずれたという話が出た。

 高校のソフトボールの練習中に選手2人が衝突した。ひとりは鼻出血が止まらずに、救急要請された。こちらの子の救急搬入要請があった時に、もうひとりも腹部を打っていて少し痛みがあると救急隊から報告があった。ついでなので2人とも引き受けます、と返事をしたそうだ。

 搬入後、鼻出血の子はボスミンガーゼで止血された。X線で鼻骨骨折があり、それは週明けに耳鼻科外来に来てもらうことになった(手術予定)。ところが、ついでだったはずの腹痛の子は搬入時には左側腹部~背部の痛みが相当にひどくなっていた。

 造影腹部CTで左腎臓が破裂して周囲に血腫が取り巻いていて、結果的にはこちらの方がはるかに重症だった。明らかなextravasationは指摘できないが、後腹膜腔なので、出血が広がって腔内圧が上がって、いったん止まったのだろうか。

 泌尿器科常勤医のいる地域の基幹病院に連絡すると、外科系の日直は整形外科医で、泌尿器科医に連絡した上で引き受けてもらえたという。TAEできるんですかねえ、腎摘出になるんですかねえ、などと話をしていた。初めて見る画像だった。

 

 もうひとり施設入所中の90歳女性が腹痛・発熱で受診して、なぜか外科宛ての紹介だった。CTで総胆管結石があり、胆管炎・膵炎を発症していた。総胆管結石の内視鏡治療ができる基幹病院に救急搬送したので、2台続けて送らせてもらったことになる。こちらは内科系日直の先生に連絡したら、ちょうと運よく消化器内科医だったそうだ。

 

 

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間質性肺炎

2018年11月11日 | Weblog

 土曜日は日直で病院に出ていた。金曜日も内科当番だったが、土曜日の午前4時過ぎに当直医(外部の病院の先生=バイト)から連絡がきた。

 呼吸器科外来に通院している85歳男性が呼吸困難で受診して、血圧が200と高値を呈している。胸水もあり、心不全として入院させたいという。慣れている先生なので当面の指示は出してくれる。そのまま入院させてもらって、日直で行ってから検討することにした。

 2年前から当院の呼吸器外来(大学病院から出張)に特発性間質性肺炎で通院していた。ステロイドなどの投与はない。在宅酸素療法を行っていたが、今年の4月に増悪して、地域の基幹病院呼吸器内科へ搬送になった。その後軽快して戻ってきている。

 火曜日にも内科外来を受診していて、外来で診た先生が心不全として利尿薬(ダイアート30mg)を追加していた(内服していなかったらしい)。内科医院から降圧薬(ARBのオルメテック)が処方されていたが、血圧が160だった。その時のBNPが500と上昇。

 病院に来てから画像を確認すると、間質性変化は増悪したとはいえないようだ。胸水が軽度に貯留していた。BNP値は火曜日と同じ程度。当直医が二トロールバックの点滴静注をして、血圧は160まで下がっていた。患者さんは呼吸困難が改善していて楽だという。

 間質性肺炎の増悪ならばまた救急搬送になるが、そうではないようだ。肺高血圧からの右心不全ではなく、血圧高値による左心不全状態ということか。週明けまで、降圧薬の追加と利尿薬投与で経過をみることにした。

 呼吸器科の常勤医はいないので、呼吸器外来の患者さんが安定している時jは問題ないが、増悪した時は困ってしまう。COPDの肺炎による増悪や喘息発作は(重症でなければ)当院入院で見ているが、間質性肺炎の急性増悪などは搬送させてもらっている。

 

 日直の後は病院で待機していたが、当直医(外科医)から90歳女性の肺炎を入院させたいと連絡がきた。左下葉に浸潤影が広がっていた。

 

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