● 布施祐仁 「イラク〝戦地〟派遣が鳴らす警鐘」を読んで
『世界』8月号 須山敦行
◎ 筆者が最近入手した内部文書『イラク復興支援活動行動史』の内容を紹介する文章である。
これは、7月15日に、赤嶺議員によって求めに応じて、防衛省が国会議員に開示したものと紹介されたものと同じである。
◎ イラク派遣が、いかに
「純然たる軍事作戦」そのものであったか。を示している。
◎ 次の文章などは、リアルに実態を表すものだ
「訓練が始まった当初は、『撃てるだろうか』とか『攻撃されても、その場を逃げ切るのが精一杯だろうな』と思っていました。でも、上官に『撃たなければ、こっちが殺られるぞ』と言われ、訓練を重ねるごとに対応する時間も短くなって自信がつきました。体で覚えてしまえば、考える前に引き金が引けるようになります。そういう状態になるまで繰り返し訓練して、体に覚えさせたのです。」
「実際には、危険を感じたら自己判断で撃って、事情聴取で『急迫不正な侵害があったと認識した』と説明するように指示されました。命令を待っていたり、正当防衛か緊急避難かと考えていたら、その間にこっちが撃たれちゃいますから、(指示は)当然だと思いました。それで人を殺してしまった場合でも、裁判で罪に問われることはないだろう、とも言われました。」
「隊員に対して訓練を徹底した後、最終的には『危ないと思ったら撃て』との指導をした指揮官が多かった」
◎ 一人の犠牲者も出さなかったのは 『奇跡』
「結果的に、当時のイラクに約二年半駐留して一人の犠牲者も出さなかったのは、まさに『奇跡』としか言いようがない。」
その際、
「最も重要だったのは『適切な活動地域と任務の選定』であったと強調しているのである。」
「安全確保で最も重要なのは『活動地域と任務の選定』だというのが、自衛隊自身がイラク派遣から学んだ教訓であった。」
◎ 筆者は、
『行動史』の最後のページの
「本行動史の最後に『国家・国民の心の支えこそが我々隊員の士気の根源』であることを付け加え、まとめとする」
という文章を引用し、
「国民の理解がないままに、自衛隊員が海外で『戦死』するようなことはあってはならない。」 と結んでいる。
※ 今、まさに国民の反対の中で、自衛隊員が死地へ派遣される事態が進められようとしている。
安倍は、まことに罪深い存在だ。
先の大戦でアジアの人々を国民を犠牲にして、無責任に生き延びた、岸信介と同じ罪を犯そうとしている。