4月14日、富岡の『世界』を読む会・4月例会が、このところの固定会場、吉井町の高崎市吉井町西部コミュニティーセンターを独占して行われました。
寒い会場として恐れられていましたが、すっかり春爛漫で少しも寒くない会場で熱い討議が行われました。
まず、「廃炉問題」の筒井論文から。
時あたかも、汚染水の海洋投棄を政府が決めるという話題がニュースとして流される中でのタイムリーな課題となりました。
報道は「風評被害」の問題を主にされていますが、「トリチウム」を含む汚染水の安全性の問題はもちろん、筒井論文にあるような「空冷」+「長期遮断管理」という別の道があることは全く話題に取り上げられていないことが問題視されました。いずれにせよ、大変困難な長期的に対応するしかない問題を、ここで安易に海上投棄の方向へ舵採る政府のやり方は、無責任体制そのものだと。また事態は、人間社会にとって原発がいかにあってはいけないものであるかを物語るものなのに、そういう根本的な考察は背景に押しやられている感があります。
このような中で4月12日に安倍晋三が顧問、稲田議員が会長、櫻井よしこが名を連ねる「原発新増設推進議連」が旗揚げをしたとのこと。この「極右」的な勢力は当然、核武装との関連で原発を捨てられないという存在で、事態の背景にこのようなファクターの力も無きにしもあらず、と感じられます。
小笠原みどり論文を中心とする「パンデミック監視資本主義」の問題に対しては、反技術主義に陥らないように、市民国民が民主主義の道具に使用するためには、どんな仕組みや政策が必要なのかと考えるべきだ、と。そのためには、「楽」で「便利」なことに流されないで、「知的」にも「民主主義の主人公」としても、相当な努力が要請される課題でもあることが話題になりました。中国の様子は、近代の未発達、理性的・政治的・主体的な近代の獲得がなされていないという問題、さらに人文科学の後退・軽視が感じられ、まるでイノベーションに狂ったマッド・サイエンティストの世界のようで恐ろしいが、まさしく全体主義との対決が課題だと。
スーパーシティ構想には前橋市が手を挙げているということで、資料が提供されました。あちらはやる気なので、私たちも理論武装が急務です。
というようなあっという間の3時間の熱討でした。
・今月のテーマは
・「パンデミック監視資本主義の台頭」 小笠原みどり
・「中国デジタル革命と監視社会の行方」 倉澤治雄
・「人々による人々のためのデジタル社会へ」内田聖子
・「誰が廃炉にするのか?」 筒井哲郎
・「廃炉への現実的道筋を提起する」 (2月号)
Ⅰ 核兵器禁止問題
でした。
・4月号のお勧めは
■針谷 ・「中央銀行は漂流しているのか?」白川方明
でした。
◎ 富岡の雑誌『世界』を読む会、5月例会 の予定
●日 時 5月19日(水)
●場 所 吉井町西部コミュニティセンター
吉井町長根174-6
●時 間 午前9時半
●持ち物 雑誌『世界』5月号
○共通テーマ
・「香港危機とは何か」 倉田 徹
・「「暴力」のあとに」 葉健民
・「香港の悲劇」 練乙錚
・「人新世」 J・A・トーマス、M・ウィリアムズ、 J・ザラシーヴィッチ
です。

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