練馬の『世界』を読む会・9月例会の報告
練馬の『世界』を読む会・9月例会は、9月26日(木)、午後1時より、光が丘図書館第一会議室で、9名の参加で行なわれました。
うぐいす色の芋の練り物?と美味しいコーヒーに+新宿のお菓子のご馳走付きでした。
■ 今月のテーマは
・横山広美「理系女性はなぜ少ない」
・武田砂鉄×五味渕典嗣「揺らぐ国語教育と教室空間」
・安田浩一「埼玉クルド人コミュニティ 第2回」
・金本麻理子×高遠菜穂子「紛争地の生とかかわり続けて」
の4本でした。
◎ 第1テーマ・横山広美「理系女性はなぜ少ない」
本文のようなことは確かにあるが、次第に女性の理系的な仕事が増えているように感じる。薬学系や医療系の職業は、資格を採ることで、産休・育休が確保できるという事情があった。「数学ができる」かどうかで、進路を理系、文系と早くから分けようとする傾向が根強いが、数学の論理的な思考は文章理解力そのものではないか、理系、文系という分け方はどんなものか。
◎ 第2テーマ・武田砂鉄×五味渕典嗣「揺らぐ国語教育と教室空間」
他教科に比べて、「国語」で何を学んだのか、はそれぞれが全く異なっている。教師によってまるで内容が違った授業のようだ。日本語という教科ではない。平和教育でもあり主権者教育でもあり、日本文化の享受者の育成でもあり、とらえどころがない。文学を学ぶ場でもあるが、実用国語が重視されるのだが、それは文学国語の後退になるだろう。外国には「国語」に当たる教科はあるのか?
◎ 第3テーマ・安田浩一「埼玉クルド人コミュニティ 第2回」
川口市の人々は、もの作りの町として、外国人労働者と共生してきている。ヘイト行動をしているのは、外から来る人たち。ヘイトに走る人は、「存在が認められたい」ということではないか。トルコという国は、複雑な民族構成を持っている。クルド人にユルマズ・ギュネイという優れた映画監督がいて、『道』、『群れ』などの作品がある。
◎ 第4テーマ・金本麻理子×高遠菜穂子「紛争地の生とかかわり続けて」
この二人の女性の優れた論理性、その精神の強靭さには、圧倒される。とても女性蔑視など恥ずかしくなる。話題が朝ドラ『虎に翼』の方へ流れ、登場人物の品定めがあった。松山ケンイチの桂場は、石田和外がモデルで、戦前の考え方から脱することができなく、青法協などへの弾圧を進めた、など。
などと、話し合いました。
■ 9月号のその他のお勧めは
・野口 「石丸現象とTik Tok」 伊藤昌亮
・岩渕 「都道府県版ジェンダーギャップ指数が示す二つの不平等」
山脇絵里子・河野銀子
・巻 「戦争で壊れた父親と向き合う」黒井秋夫×藤岡美千代
・吉田 「「日本人」の自画像を描く」 李英美
・須山 「三淵忠彦最高裁長官はいかに誕生したか」赤坂幸一
でした。
◎ 練馬の『世界』を読む会、10月例会 の予定
●日 時 10月18日(金) 午後1時~4時
※ 第三木曜日が定例ですが、今月は第三金曜です。
●場 所 光が丘図書館・第一会議室
●持ち物 雑誌『世界』10月号
○共通テーマ
・「埼玉クルド人コミュニティ 第3回」 安田浩一
・「沈黙の廃墟」 石山徳子
・「ドイツ「罪の克服」とはなんだったのか」 駒林歩美
・「『フランケンシュタイン』を読む 第9回」小川公代
● 連絡先 須山 suyaman50@gmail.com
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