『世界』を読む会

寅さんの博も読んでいる『世界』を読んで、話し合おう。

『世界』を読む会 10月例会、8日に迫る。

2014-10-06 13:56:56 | 日記


『世界』を読む会 の 10月例会が、来る8日に迫りました、が、
参加希望者からの声がまだ。
なんとかしたいです。
練馬の喫茶店「アンデス」には、今月も席を予約してあります。
よし、いっちょ行ってみるか、とこちらに向いて。
是非、来て下さーい!

◎ 『世界』を読む会  10月例会 で 感想を交流しよう

● 日 時 10月8日(水) 午後7時
● 場 所 喫茶アンデス 練馬区豊玉北5-17-9 井上ビル 2F
      電話 03-5999-8291
     お店を予約していますので、大勢集まってほしいなあ。
        練馬駅[A2]から徒歩約0分  
● 持ち物 雑誌『世界』10月号
● 連絡先 須山
      suyaman51@mail.goo.ne.jp

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小田切徳美「『農村たたみ』に抗する田園回帰」を読んで

2014-10-03 19:28:10 | 日記

 

● 9月号 小田切徳美「『農村たたみ』に抗する田園回帰」を読んで
           
                                    須山敦行

           
 政治や社会は、私たちには手の届かない所で、「自然に」流れていくように感じ、それを後追いするのがやっとのように受け止めているが、実は、「力を持つ者」によって、意図的に動かされているのではないか。

 「増田レポート」からの一連の動きを観察すると、その動かし方の手口が見えてくるようだ。

① 「増田寛也+人口減少問題研究会」の名の「第1レポート」(『中央公論』13年12月号)
② 日本創成会議・人口減少問題検討分科会の「成長を続ける21世紀のために『ストップ少子化・地方元気戦略』」(第2レポート)(14年5月8日)
③ 「増田寛也+日本創成会議・人口減少問題検討分科会」の名の「第3レポート」(『中央公論』14年6月号)
④ 経済財政諮問会議専門調査会・「選択する未来」委員会の中間報告「未来への選択……人口急減・超高齢社会を超えて、日本発成長・発展モデルを構築」
⑤ 「経済財政運営と改革の基本方針二○一四(「骨太二○一四」)の閣議決定(14年6月24日)

 こんな風に、政治は社会を動かして行くのだ。

 そして、この動きは

Ⅰ 「農村たたみ論」への道案内


 
 当事者地域住民にとって、「消滅するからもう撤退しよう」という呼びかけに聞こえる作用をし、いつのまにか、特定の地域に対する撤退の勧めとして実質的に機能し始めているのだ、……と言う。 

 第三一次地方制度調査会では、
……総会の場では、委員として参加した複数の国会議員から、早速、市町村消滅論を意識した道州制への期待が語られた。このように、永田町や霞ヶ関の一部では、「市町村消滅論」という人為的に起こされたショックが、諸制度の急進的リセットのための「魔法の杖」として機能する可能性は否定できない。……

  ……「市町村消滅」が言われることにより、乱暴な「農村たたみ論」が強力に立ち上がり、他方では「あきらめ論」が農村の一部で生じている。そして、それに乗ずるように狡猾な「制度リセット論」が紛れ込むという三者が入り乱れた状況が、いま、各所で進みつつある。……
というのだ。

 「農村たたみ論」がめざす日本の姿はどうであろうか。

Ⅱ 「農村たたみ論」がめざす日本の姿は


 「農業保護をやめればサラリーマンは豊かな生活ができる」竹村健一『日本農業大改造論』
  大前研一『新・国富論』
  小泉構造改革路線
  安倍 「『世界で一番企業が活躍しやすい国』を目指す」 

と、いう路線は、

 グローバリゼーションの中での日本の競争力強化という路線そのものである

  欧州での「コンパクト」が、「脱成長」や「成熟社会化」を目指したものであるのに対して、
  日本での「コンパクトシティ」構想は、財政負担の軽減や効率化のみを考えたものである。

Ⅲ 「田園回帰」のとらえ方


 筆者は、「田園回帰」の動きに注目する。
 それは、脱成長型都市農村共生的社会を追求する道……であると。
 田園回帰の動きは新しい社会における暮らし方を先取りしている可能性がある。
 田園回帰は「農村たたみ」の対抗軸に他ならない。 ……と。
 「むらは温かい
 「地域の人はかっこいい
という若者の声は、……生産や生活の小さな技を当たり前に持つ地域住民、特に高齢者に対して向けられた畏敬の念からの言葉である。……と。

◎ 結論

 そして、結論的に、こう強調する。
 より重大なことは、「消滅」のレッテル貼りという強いインパクトが、農村を直撃して、そこに「あきらめ」が支配してしまうことが心配されることである。行政学研究者の大森彌氏はいち早く指摘する。「(自治体消滅は)起こらない。起こるとすれば、自治体消滅という最悪の事態を想定したがゆえに、人びとの気持ちが萎えてしまし、そのすきに乗じて『撤退』を不可避だと思わせ、人為的に市町村を消滅させようとする動きが出てくる場合である」

  未来は変えられる

 「市町村消滅論」はそれが真実であろうとなかろうと、前者の道に農村を追い込もうとしている。そこにこそ、この議論の真の意図があるのかもしれない。
 成長追求型都市的社会を追求するのか否かの選択である。
 「農村たたみ」はその選択とリンクする動きと言えよう。

※ この9月号の「増田レポート」批判は、10月に入った現在、秋の臨時国会で現実味を帯びた問題として焦点を当てられるものになった。10月号でも、特集「生きつづけられる地方都市」として、問題が深められている。

 

コメント (4)
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親川志奈子 「『本土の沖縄』化という言葉」 を読んで

2014-10-03 19:28:10 | 日記

● 9月号 親川志奈子「『本土の沖縄』化という言葉」を読んで

                                      須山敦行

 連載のリレーコラムの短文であるが、私にとって、ドンと胸に突き刺さる鋭いものだった。

 筆者は、「本土の沖縄化」「沖縄にいらないものはどこにもいらない」「基地はどこにもいらない」の三点セットが、沖縄人の私の胸をえぐる。という。
 これら(三点セット)は、私が使っている言葉ではないか。

 さらに、「本土の沖縄化」という言葉はまさに知念ウシが示す「シランフーナー(知らないふり)の暴力」なのだろう。「沖縄問題」を「沖縄問題」たらしめている、日本人としてのポジショナリティに対しシランフーナーをすることで、無邪気に「基地はどこにもいらない」と口にできる人格形成がなされる。と来る。

 ……人口の四人に一人を戦で失った沖縄なのだ。……
 ……六九年にわたり沖縄に米軍基地問題を押しつけてきた日本の人々が「本土の沖縄化を許してはならない」と熱く語り合っているのだ。……

 ……「沖縄にいらないものはどこにもいらない」ではないのだ。……
 ……「日本にいらないものは沖縄にいらない」という声が日本側から聞こえてこなくてはいけないのだ。……

 ……
 「基地はヤマトへ」
 「(オスプレイのこと)一刻も早く佐賀空港へ移設すべきだ」
 ……

 さあ、さて「運動論」として、どうなのだろう?

 それにしても、キツク胸をえぐる、文の力に押しまくられた。

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インタビュー 朴元淳「民主主義の咲き誇る都市へ」を読んで

2014-10-01 22:04:13 | 日記

● 9月号 インタビュー 朴元淳「民主主義の咲き誇る都市へ」を読んで

                                    須山敦行

◎ 感想

 お隣の国の首都でのことなのに、私はまるで知らなかった。
 何かの集会で(都知事選のまとめ集会?)、ソウル市長、ソウルスタイル、ということを聞いたことがあった、という気がするが。
 貴重な、先進モデルとして、私たちに希望を与えてくれるものだ。
 「協力型」の人間観に基づいた、社会、制度作りは、感動的だと感じた。

◎ 抜き書き(キーワード となる言葉)

 「革新」と「協治」の民主主義
 ・ 持続可能な都市づくり
 ・ 人間が人間らしく生きられる
 ・ 「革新」と「協治」
 ・ 協治 すなわち市民と協力して市政を進めていく
 ・ エネルギー面で自立していくビジョン
 ・ 「市民が市長」をスローガンとして
 ・ ソーシャルメディアセンター
 ・ 市民発言台
 ・ 現場市長室
 ・ 住民参加予算制
 ・ 政策博覧会
 ・ ソウル型自治
 ・ ソウル型民主主義
 ・ 「ソウルスタイル」
 ・ 自分だけで仕事をするのではなく、市民の力を引き出していくことが仕事だ
 ・ 職員だけが働いても、成果は一過性のものです。
 ・ 市民の力が引き出されるならば、それは持続的な成果をもたらします。
 ・ 「エコマイレージ」
 ・ エネルギーコンサルタント

 自治体内の分権と完全な情報公開 
 ・ 予算を住民が自主的に決定しています。
 ・ 完全な情報公開が鍵になります。

 競争ではなく協力の教育へ
 ・ 競争主義的な教育に反対し、民主教育の理念を掲げた市民活動家のチョ・ヒヨン氏がソウル市教育監に当選しました。
 ・ 創造的思考を持つとともに、協力と配慮をすることのできる人です。
 ・ ソウル市が追求する教育の方向は、やはり、成果主義に陥った「孤立型」ではなく、共同体とともに助け合って成長していく「協力型」の人の育成です。
 ・ 全市民が誰でも生涯にわたって均等かつ質の高い教育を受けられるようにするための「教育都市ソウル基本計画」
 ・ 開放的な教育

 ソウル・東京・北京 東アジア三都市の交流へ
 ・ なぜ東アジアはEUのような共同体について構想しないのか
  

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