家づくりは、建設費がリーズナブルで快適で光熱費も安価、メンテナンスコストも抑えられ、構造においても住む人と同様の健康な環境を保持できることが必須です。
私が1985年から取り組んで来た硬質樹脂のスプレー断熱材を用いてのファース工法の家は、インナー通気層に冷暖房の熱を循環させ、床下を通過する際にファースシリカ(シリカゲルを専用処方)に接触させ、家屋内の湿度を一定化する調湿性能を保持させました。
この樹脂断熱材のエアクララは、スポンジのような連通(空気が抜ける)気泡ではなく、湿気の通過を阻止するため樹脂の独立気泡率を95%まで高くし、薄く何層もスプレーして、スキン層を何枚も重ね合わせながら厚さを持たせました。
外部の気温と湿気にも影響されない断熱・気密層を構築できるようにしました。
このような構造で「調湿の出来る家」が出来るのですが、真冬や春先の乾燥時期は、室内発生湿度を保有して、しっとり感などの潤いを保持できています。
温暖地の夏場には外気湿度が80%を超える日々が続きます。この多量の湿気を室内に取り込むとエアコン室内機のフィンに湿気が引っ付く際には大きな凝縮熱を発します。
湿気の持った潜熱(見えない熱)は、結露する際のこの凝縮熱で具現化し、必然的にエアコンは稼働モードを高めて電力を消費することになります。
このような「#空気サラサラ」の調湿の出来る構造特性を持たすことは、断熱と気密だけでなく湿気の持つ潜熱のコントロールが出来ることで省エネに大きく寄与できます。
平成元年に構築したファース工法でしたが、この工法の公的な認定を受けなければ確認申請も通りませんでした。認定申請でも学識者の先生方は、グラスウール断熱が基軸で成り立っていた断熱法に視た事もないスプレー発泡断熱工法に困惑し、公的認定まで5年の歳月が掛かりました。無いモノを生み出し理解しても貰うには、一朝一夕では行かないモノです。
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