何年か前に横濱ジャズプロムナードですごい演奏を聞いたって板橋文夫のことをこのブログに書いていました。その後、Sさんのエリントンの本の出版記念で彼が演奏をしていて、やはり魂消ました。この本のこともそしてそのときの板橋文夫の演奏に関しても日記にはアップしていますよね。板橋氏のHPはこちら。
Sさんと話をしていて、「板橋文夫の演奏はとてもすばらしいけど、刀を突きつけられるような緊張を強いられる演奏で疲れてしまう」ってこぼしましたら、彼にはもう一つものすごく優しい演奏をする場面があるということをお聞きしました。それはぜひ聞いてみたい。板橋文夫の演奏はその緊迫ジャンルのものしか聴いたことがない。あのような一面を見せる人なら、逆な面もきっとすばらしいに違いないから聞いてみたいと言いましたら、CDがあるから聞かせるとのことでそのままになっていました。
今日、S氏からメールがあり、MiyaというジャズフルーティストのHPにMiyaさんが板橋氏にインタビューをしていて、そこに彼の演奏があるということで見てきました。
S氏の言葉では
>板橋のやさしさが出た演奏は、どうやら次回のようですが
乱暴さと自己主張とは、違う演奏と
板橋の音楽観のようなものがインタヴューで
垣間見ることが出来ます。/>
ふ~ん、もちろんS氏は私がなんどか板橋氏の演奏を聞いていることを知っているからこれを送ってきたのでしょうけど、S氏には悪いけど、もし私がこれを最初に板橋文夫の音楽として聞いたのだったら、私は彼のことをそんなにかっていないかもしれない。なんだか丸くなって、若いこれからの音楽家に自分を合わせてあげているって感じの演奏。強い自己主張もないし、押さえに抑えた繊細さもないって感じかな。S氏は彼のしゃべりの部分でメッセージを掴んで欲しいと思っていたみたい。
でも、プロって大変ですよね。そのときの環境、状況に応じて妥協したりすると、それしか聞かない人にはそれだけで判断されてしまう。一つ一つが真剣勝負なんですね。
私はプロにならなくってよかった。あぁ、これ駄目だけど、これしかないからまあいいかなんて勝手なことがいえるから。困っても困るのは自分だけですものね。
甘いんですよ。私だって仕事をしていたときには、アマチュアとは仕事をしないなんてほざいていたけど、今や、たんなるど素人にしか過ぎない。困ったもんだ。
なんていいながら、ところでMiyaさん?
はい、誰にも好まれるような綺麗な演奏でしたよ。
今の若い人たちに共通の綺麗なメロディ、演奏。
でも、この人たちって、年輪を重ねていくことで綺麗綺麗から脱却できるのでしょうか?
本当にインパクトを与えるような演奏家、作家って、若いときからもっと棘があったような気がしてならないのだけど。
なんとなく、板橋氏の話にはそんなニュアンスも感じられましたけど、それって私の誤解かな~
なんてことを言っていると、皆様から村八分にされますね、、、、
ちっちゃくってもいいじゃない、自分を出し切れば。
それじゃ、飯を食えない?
なら、職人さんになればイイだけ。
自分のことをアーティストなんて言わないでよ。
職人さんのほうがもっといい仕事をするよ。
なんてことを昔は作家の連中に平気で言っていたんです。
私って鬼だね。きっと。