夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

ささがにの空にすがくも

2009年08月21日 21時02分05秒 |  気になる詩、言葉


ささがにの空にすがくも同じこと
 まだき宿にも幾夜かは經む
       僧正遍昭
       新古今集 18

蜘蛛が空に巣をはっているのと同じこと
  この家だって果たして何日保てるのだろう

笹がね、笹がに 同じ蜘蛛を指します。
以前にも取り上げたことがありましたけど、蜘蛛の振る舞いを見て、恋人が訪ねてくるという徴だとしたものが万葉や古今集にはあります。
このすぐ前の日記に載せた戯詩にも蜘蛛の振る舞いを匂わせておりましたけど、皆さんはお分かりですよね。



岬の家は木の中にありますので、蜘蛛も大変多い。
暗くなって家に戻ったときなどは、要注意。
あっと言う間に顔にべったりです。

この家も古くなって、手を入れようと思えばきりがない。
願いは、私が生きている間、雨露をしのいでくれればそれでいいのです。
まぁ、蜘蛛の巣よりかは、家も命も、長く保って欲しいですけどねぇ。



烏駆除

2009年08月21日 09時26分31秒 |  岬な日々
いすみ市(岬町だけかな?)では今週いっぱい 烏の駆除をやっています。
朝からパンパンと鉄砲の音がしています。
それで烏たちが家の周りにたくさん避難してきています。
とにかく、賢い子達ですから、何が、どこが危険で、安全かってすぐに分かるのですね。
それだけならいいのですけど、とにかく煩い。
声高に喋り捲っています。

「あんさ~ あそこで危うく撃ち殺されるところやったとよ」
「ほんと、あっちでもこっちでもポンポンと 危なかね~」
「そりゃ、ちいとは悪さもするばってん、人間ほどじゃなかとよね~ 駆除するならまず、人間から駆除してもらわんといけんとに」
「ほんと人間はかってじゃから。色が黒いからすかんとか。そんで自分たちは日焼けサロンとかに通って黒くしてみたり。そりゃ、人間が金を持ってくれるとなら、羽をピンクとか青とかに染めてもよかけど。ひゃ~~って、人間のそばに降りてきたら、赤と緑の烏やったっていうたら、人間は腰抜かすやろね~」
「おまけにさ、声が気に入らん? なんね、カラオケとかで歌いおるやろ、ひどかもんたい。うちたちは物まねだってやれるとやからね~。 人間の下手な歌をおいといて、烏ばかりをせめても、そりゃ聞こえんばい」
「あぁ~、腹たつ。こんど鉄砲を持った人間を見つけたら、急降下して突っついてやろうか。それとも空からピチッと落し物をしてやろうか」
「やめとかんね。そげんことをしたら余計にひどくなるけん」
「世話役さん、なんとかしてくれんね」
「せからしか~ ふだんは町会だら何たらはうちらとは関係ありませんなんちゅう人が一番、ああせぇ、こおせぇって頼んでこらす。うちは知らんけんね~」




カワセミのポイントは草が刈られ、木が切り倒されていました。
この2週間以上、カワセミを見ていません。
引越ししたんでしょうか、ちょっと心配。

住みよくなることと引き換えにだんだんと何かがなくなっていくみたい。


それでも、いすみは来週は平穏な田舎に戻っているでしょうか。


夏は曙

2009年08月21日 08時14分52秒 |  岬な日々


夏は曙
やうやう白くなりゆく山ぎは 少し明りて 紫だちたる雲の細くたなびきたる
衾に身を預け
あげわたしたる半蔀を通して
風の簾を揺らして草の香りを運ぶはさらなり
現に鳥の声 蝉の鳴くを聞くいとあわれ



立ち詩に惑い 留め詩に笑う おかし
軒の蜘蛛に後朝の詩を託し、夜離れを期するもいとおかし


朝露の輝き抱く蜘蛛の糸
  風吹かぬ日は なゆるわせ
          風車