夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

「いすみ市の住民になりました、、、が」 反論

2010年01月13日 09時02分37秒 |  岬な日々
少し前に、「いすみ市の住民になりました、、、、が」ってタイトルで、いすみの住民になっての不満などをずらずらと書いておりました。
それに対して、コメントをいただきました。


mixiよりやってまいりました。今までは綺麗な写真などを掲載されている方と思っておりましたが、少しがっかりしました。

たしかに、田舎の行政は立ち遅れているところもあります。横浜市と比べたら蟻と象の違いがあります。同等のサービスを求めるのはかなり無理がございます。

市内に都市銀行の支店等はございませんし、茂原市に行けばかろうじてりそな銀行がございますが、市内在住者にとってどれだけの重要度かと考えると、ほとんど関係ない銀行です。茂原市にある企業もココがメインのところと言うのは限りなく少数と思われます。そんな状態の地域で都市銀行対応が必要なのでしょうか?一部の方には便利なサービスも、一方では無駄にも見えます。コンビニは早急に対応すべきと思いますが。
私がリタイヤするまではまだしばらく働かなくてはなりません。仮に当地と都会の老後の選択があるとするならば、ボクは迷わず当地を選びます。あの人ごみ・雑踏の中でリタイヤ後の生活を考えると無理です。
田舎の人はある意味自給自足です。海で魚を取れます。田で米は作れます。畑で野菜は取れます。みなさん自分の出来る範囲での生活をしております。

経済的なことは大変重要なことですが、お金にかえられない何かを見つけられないようでは無理をしてまで移住する必要は無いと思います。
田舎は都市生活者の老人ホームではありませんので。
/>

私って無理なことを言っているのかな~
田舎は都市生活者の老人ホームじゃないって、私はいすみから追い出されているのかな、、、、


このレスに書きましたが、私は、いすみ市独自の問題を書いたものではなく、国民健康保険や介護保険などの政府の制度の下でのサービスが、被保険者などの数が少ないからということで、高い保険料、低いサービスに甘んじなければならない不公平さに不満を漏らしていたのです。
国の制度であれば、もっとサービスを受ける人々に公平であって欲しいと。

以前の日記にも、耕作放棄地のことを書いたり、一年に何台車が通るか分からないような、軽自動車でも通れないような畦道が舗装されていることを書いたりしています。田んぼのぬかるみを走る農耕自動車のためにこんな舗装が必要なんだろうか、もっと意味のあるお金の遣い方はないのだろうかって。

でも、これはいすみで見たことから端を発して、日本の農業政策や、財政投融資の問題へ心を向けながら書いていることだったのですね。
確かに、国の投資を受けながら、自治体としてはその何割かの支出で、地元の業者を潤し、ひいては地域の活性化に繋がる。
でも、私の知っているたくさんの市長や、町長達は、その後に来る返還が結局、その自治体を圧迫することを知っていて、それを受けることをセーブしている人がおりました。
あるいは、放棄地でも、国の施策に問題がある、でも、それをさまざまなボランティアグループが活用して行こうとしているのも知っていての問題提起でした。


いすみ市に家を買って、10年近くになります。
いすみ市独自の予算でできること、できないこと。あるいは行政サービスだけでなく、公共サービスなどでも、サービスを受ける人が少なくて、出来ないことはたくさん見聞きしてきましたし、それはすでに織り込み済みで、こちらに住民票を移したのですけど。
ただ、実際の国保のサービスや料率などは住民票を移して見るまで分かりませんでした。でも、これは市役所の担当者ですら驚くくらいですから、私が知らなくても仕方のないことだったのかもしれませんね。


でも、いすみ市独自のサービスにも、私としてはどうしても欲しいことがありました。
その一つは、上に触れられている納税のチャネルを増やして欲しいこと。納税する気はあっても、今までは、都市部にいては納税が難しかった、そのために納税が遅れたことが何度かありました。


>同等のサービスを受けるのには無理がある

本当にそうでしょうか?
いすみ市役所のサービスってことへの感覚が欠如しているところはないでしょうか?
レスにも書きましたが、茨城の同規模の町に住んでいたことがあります。
こちらも住み始めは町でしたが、途中やっと市に昇格したところ。
でも、こちらでは、最初から都市銀行でも納税が出来ました。
いすみは別荘などで、この町よりもはるかにたくさんの人が固定資産税などを県外から払っているはずなのですね。

それ以上に深刻なのが、緊急時の連絡体制。
いすみ市には丘陵が多く、その陰に隠れると、テレビが入らないうちが多いのです。
おまけに、私がいすみに来てからも何度か起こっている、がけ崩れや、川の洪水、海に面しているので、地震などの後の津波、、、
でも、それらの緊急情報が取れないのです。
もちろん、例のスピーカーで流す放送はあります。
でも、普通の日にも、山などに反射して何を言っているのか分からない。
ましてや、風や大雨のときにはまったく聞こえてこない。
あの情報網では、伝えられる範囲は凄く限定されてしまっているのです。
今、私(そしてかなりの数の住民の方)が頼りにする可能性を持ったものはいすみ市のHPだけ。
ところが、緊急時のいすみ市のHPではまったくといっていいほど、情報が流れてこない。県や、隣接の市町村のHPでは避難場所などの情報がどんどん流されているのにって、、、、これは大雨や台風の時には、ブログで何度かアップしていました。
こんな状態は、いすみ市の市役所の方や、市議の方と話したときにも、皆さんもよくご存知のことなのだと分かりました。
ところが、この状態、一向に解決しない。
不満を言うなら、都会の人々の老人ホームではないのだから出て行けばって言うのは簡単です。
でも、これは命に関わること、そして、私だけでなく、テレビの映らないような箇所に住む住民の方々にも関係することなのです。
おまけに、スピーカーをあちこちに設置するというようなお金のかかることでもありません。
誰かが、市役所の責任についてちゃんと分かっていて、最新の緊急情報をHPに載せればすむこと。
それを皆が気がついていて、それでも直らないというその体質は問題だと思います。


きつい言い方をしているのは分かっています。
でも、私の仕事場は不満がある、何か問題に気がついたときには、それを口にしなければ、誰も文句を言わないから何も問題がない完全なシステムだって理解されるようなところにおりました。
問題がある、ならそれを口にして、その反論を待つ。
そうやって、切磋していくことでよりシステムがきちんと機能するようになるのではないでしょうか、、、

ある中規模の市の文化政策とか、小さな県のプロモーションとかに長い間関わってきました。そのほかにも私の仕事の相手先は市町村、それも大都市は面倒だからというので3万くらいの規模の町との仕事を優先してきました。
役所の動き方、役人の方々の考え方はある程度理解しているつもりです。
その上で、あの厳しい言い方になりました。

現状をそのまま受け入れて、改善したいこと、不満をそのまま飲み込んでしまえば、100年たっても何も問題は解決しない。不満は不満として、口にし、それに対する反論も謙虚に聞きながら改善点を探していくことが進歩なのだと思うのです。


今の私にとって、目の前の問題の提起は、いすみの問題になります。だからいすみの問題としてこれからもさまざま、不満を述べ、問題を提起していくと思います。
この間の日記でも、これはいすみだけの問題じゃないって書いていますよね。
国保や介護保険はいすみ市の問題ではない。でも現場ではこんなことが起こっているということをもっと叫ぶ人が増えなければ、おおもとの制度はいつになっても変わらない。
私がいすみ市を最終的な終の棲家に選んだのは、いすみの持つ風土や人々が好きだからです。
だからより素晴らしいいすみ市になって欲しい、だからこそ不満を述べるのですけど、その辺をお分かりになって欲しかったです。
どうか、いすみは都市住民の老人ホームではないと追い出さないでください。


でもあのコメント、嬉しかったです。
もっといろんな人が、あれをきっかけに、自分の思い(反論でもかまいません)をいろんなところに出していって欲しいと思いました。
そうすれば、制度も、そしてそれに携わる人々の気持ちも少しはよくなっていくかもしれませんから。
何も言わなければ、何も変わりません。