夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

卯の花の匂う垣根に

2010年06月11日 16時14分08秒 |  気になる詩、言葉


卯の花の匂う垣根に
時鳥早も来鳴きて
忍び音もらす夏は来ぬ
    作曲 小山 作之助
    作詞 佐々木 信綱

この詩、私なんかが素直に読んじゃうと一つ問題ありです。
卯の花は匂わない。
でもこれは、匂うに花の咲きほころびる様を当てているのですね。

いすみ市ではホトトギスは春一番から鳴いているような気がします。
夜中にも眠そうな声で、「東京特許許可局」ってね。
でも、物の本には、東南アジアで越冬し、夏に日本に来るってことになっています。
昔の詩にもホトトギスが来て夏になるというのはたくさんある。
はて、私の聞いているのは空耳か、それとも別な種類の鳥なのかな~
それにしても「忍び音」ですか。
どうして、昔からホトトギスはしのび鳴くのでしょうね、、、

なく声をえやは忍ばぬほととぎす初卯の花の影にかくれて
             新古今集
             柿本人麿

ここでは、ホトトギスは素っ頓狂な大声で鳴き喚いておりますけどね~


なんてことは別にして、卯の花、、、空木の花ですね。
万葉集にもたくさん出てきます。
非常にポピュラーな花。
空木というのは枝の中が空洞になっているから、そう呼ばれているのですが、なぜ空木の花が卯の花か、そこにはおからが関係するのか、、、、この三角関係には大きな秘密が隠されていたりして、、、、

卯の花の垣根。
昔はよくあったといいます。
一つにはもちろん花の美しさ。
純白の花が枝一面に咲いているのはとても見事ですからね。
千葉は早稲の産地ですので、田植えが終わってしばらくしたころに卯の花が咲き出しますが、ほかはどうなのでしょうか、田植えの後すぐに咲き出すのかな。
そして、卯の花が咲き出すと、梅雨が始まります。
下に引用した万葉の歌の卯の花ぐたし(今では卯の花くたし、でしょうか)は梅雨、もしくは梅雨のさきがけの長雨のこと。卯の花を散らす雨ですね)
それに、育てやすさ。
強い植物です。
簡単に育ってくれる。
そして、もう一つ、実はこの木は非常に固くって、木の釘になったのです。ありますよね、細工物で木の釘を使ったもの。あれがこの木で作ったものなのですね。



春されば卯の花ぐたしわが越えし妹が垣間は荒れにけるかも
            詠み人知らず 
            万葉集 10-1899
 
素直に読める詩ですけど、一つだけ、春去ればは、春が過ぎればの意味ではなくって、春になればの意味。

春さればまづ咲くやどの梅の花独り見つつや春日暮らさむ

春が来れば、、、の意味ですね。
去るは、行ってしまうの他に、時間が経っていることをあらわしています。(冬から春になってきて、、、、)
と、説明されていますけど、上の卯の花の詩では、春が行ってしまっての方が分かりやすいですよね、、、、
これまた、調べなきゃ。

ところで卯の花。この花は憂いとも関連付けられています。音からの連想なのでしょうね。

ほととぎす我とはなしに卯の花のうき世の中になきわたるらむ

でも、卯の花を詠んだ詩の一番素敵なものは、

夕月夜ほのめく影も卯の花のさけるわたりはさやけかりけり
           千載集
           藤原実房

この時期のぼんやりとした月明かりの中でも、卯の花は真っ白に、爽やかに咲いております。
 

           

ビヨウヤナギ(美容柳)とキンシバイ(金糸梅)

2010年06月11日 15時54分49秒 |  あなたの鼓動、華


美央柳とか、未央柳とか書かれるオトギリソウ科オトギリソウ属の花。
発音もビオウヤナギって書かれることもありますね。
Hypericum monogynum
中国が原産なのだそうです。



実は先日、キンシバイ(金糸梅)の写真を撮っていて、美容柳と並べてアップしようと思っておりました。




今日ビヨウヤナギの写真が撮れましたので、さあ、と探しましたら、結局使わないからって棄てちゃったみたい。
そのうち、キンシバイの写真を撮って、一緒に並べましょう。
(撮りなおしで、追加しました)

キンシバイと比べると蕊が盛大に出ておりますね。

ボクちゃんのお城ができました

2010年06月11日 14時14分17秒 |   ボクとおいちゃんと ときどきおねえ

念願のボクちゃんのお城ができました。
注文建築って訳には行きませんで、プレハブですけど、まあ、男子、家を持つぐらいの甲斐性がないとねぇ~
「キャッスル」ウォーミング・パーティをいつにいたしましょうか。
お祝い? そんなことどうぞお気になさらないで。
でもま~ そんなときには何かお祝いを贈るのが社会の良識って物ですけどね~

コロッケ? ピザ?
それとも、可愛いお嫁さん?
お持ちくださっても、別に怒って噛み付いたりはいたしませんので。


でも、おいちゃんは、家を作りながら、「こんなもんまで作って、元の飼い主が名乗り出てきたらどうしよう。家だけ残っていては余計に寂しい」なんてぶつぶつ言っておりました。

だいじょうぶ。
ボクちゃん、そん時には、黒犬大和でこの家も持っていくから。

義理を欠いたらいかんぜよ

2010年06月11日 11時58分32秒 |   ボクとおいちゃんと ときどきおねえ


ボクちゃん、賢いから、生きていくうえで義理を欠かしてはいけないってことをよく知っているんだ。
だから、おいちゃんの家に始めてきたときから、こうしておいちゃんを守っている。
ボクちゃんの定位置はここと、玄関のドアの前のどちらか。
まだ、首輪も買ってもらえてないときからちゃんとやってるよ。


だって、ボクちゃんは知っているんだもん。
おいちゃんは、乏しい年金から、ボクちゃんの食事(でも、本音を言わしてもらえば、、、えらく不味くって食べられたもんじゃないんだけど)や、お医者さんのお金や、首輪や、シャンプーや、、、、、いろんなものを買ってくれているし、散歩に行こうって言えば、腰が痛いなんていいながらも、ちゃんと連れて行ってくれる。
おいちゃんには感謝しているんだ。

その義理は果たさなきゃね。
最近は人間にもそんなことが分からない人が増えてるんだって。
ボクちゃんに笑われるようじゃ仕方ないよね。

だってさ~
みんながそんな風になったら、生きていくのが逆に難しくならないかな~
ぎすぎすしてさ~
回りまわってわが身のためなんだよね~

なに? 人には義理を返してもらうけど、自分はやらないのが主流なの?
はや、もう言葉もないね~