函館本線 普通 821D列車 [キハ40形車両] (森)
今朝、函館から乗った長万部行821D列車は、途中の大沼を9時05分に発車。大沼公園経由で森には9時45分に到着し、29分間も停車する。だから大沼発9時16分発の鹿部、渡島砂原経由の森行5881D列車で遠回りして森に10時4分に到着しても、追いつくことが出来る訳だ。同じ列車に再び別の駅から乗るというのは不思議な感じがする。函館から乗り通している乗客が当然いる。「Very Nice!」の外国人も乗っている。声だけ聞いて白人かと思っていたが、見てみると日本人に近い容姿をしている。英語で会話をする国はどこだろう。シンガーポールあたりか。なぜ「JAPAN RAIL PASS」を使わん?自分が函館-大沼間で座っていた席を見ると別の客が座っていた。通路を挟んで向かいの席が空いており、そこに座る。海側の席なのでちょうどよい。
※駒ヶ岳付近の地図
函館本線 普通 森(10:14)→長万部(11:31) キハ40-841
この区間を普通列車で行くのは初めて。列車は内浦湾(噴火湾)に沿って走る。景色はよいが、時折現れる海辺の漁港は天気のせいか寂しげな印象を受ける。ホテルを出る時にはやんでいた雨だが、ここへきて降り始めた。屋根もないプラットフォームへ降りた女性客は小走りに出口へと向かっていく。単行の気動車の車内はローカル線そのものだが、貨物列車や特急列車とすれ違うと、ここが北海道の大動脈だったことを思い出させる。
終着の長万部に到着! (長万部)
函館本線 長万部駅 (北海道山越郡長万部町字長万部)
長万部で乗り換えとなるが、次の列車まで時間がある。時間的には午飯にちょうどいい。改札を出る。駅舎にはキヨスクと待合室はあるが、駅そばは無い。しかし初めから行くつもりの蕎麦屋がある。以前、長万部で乗り換えた時に、駅前で駅弁の「折詰そば」を購入して、特急〔北斗〕の車内で食べた事がある。車内販売でも扱っていた。駅弁と書いたが、もりそばなので、ご飯はない。売り場で出来上がりを待ったが、隣では普通の蕎麦屋として営業している。今回そこの蕎麦屋で食べようと思う。
駅から出ると、ここも雨が降っている。走って蕎麦屋に飛び込む。店内は普通のお蕎麦屋。駅前食堂のようでもある。あまり混んでいない。普段なら冷たいそばを頼むのだが、雨が降っていて冷えてきたので温かい「天ぷらそば」を注文する。「Very Nice!」の外国人3人も入店してきた。メニューには日本語しか書いてなかったが、普通にカツ丼とか注文している。どうも日本の大学生にしか見えない。留学生が夏休みに18きっぷで旅行中なのかな。正午を過ぎて、お客さんが増えてきた。満席にはならないけど。温かいそばが運ばれてくる。立ち食い以外の温かいそばは久しぶり。しかし関東の人間ではないので、おつゆが辛く感じられる。立ち食いだと平気なのに。冷たいそばにした方がよかったか。
天ぷらそば(850円)
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そばの合田 (北海道山越郡長万部町字長万部)
店を出て駅に戻る。雨は弱くなっている。蕎麦屋のおかみさんも何か提げて駅にやってくる。特急に積み込む駅弁用の「折詰そば」だろう。長万部にはもうひとつ「かにめし」の駅弁屋があって、こちらの方が有名である。「かにめし」の駅弁の男性も駅にやって来た。こちらも特急車内で購入できる。札幌行の入るプラットフォームで蕎麦屋のおかみと談笑している。商売敵という訳でもないのだろう。特急は長万部より室蘭本線に入り、振り子で高速走行して札幌へ向かうが、自分は函館本線を普通列車で小樽へ向かう。列車はすでに入線している。進行方向窓側の席は埋まっている。とりあえず進行方向逆の通路側の席に座る。ハス向かいの客は「かにめし」を持っている。いささか食べにくくなったろう。「Very Nice!」3人も乗ってきたが、3人座るボックスシートが空いているはずもなく、車端のロングシートに座っていた。
特急〔スーパー北斗7号〕 5007D列車 [キハ283系] (長万部)
函館本線 普通 長万部(12:19)→小樽(15:29) キハ150-17
長万部を出発。列車は噴火湾を離れ、山あいへと進んでゆく。こちらが函館本線なのだが、特急や貨物は平坦で、室蘭、苫小牧といった都市のある室蘭本線・千歳線を経由して札幌へ向かう。山あいの函館本線は山線と呼ばれ、普通列車のみで運転本数も少ない閑散線区となっている。しかし平成12年(2000)の有珠山噴火で室蘭本線が不通となった時には、特急等を山線経由で運転させている。渡島管内から後志管内に入ると雨はやんできた。黒松内で通路向かいの席の御婦人二人が下車。直ちにそちらへ移り、進行方向の席に座る。1+2の並びだから、こちらは窓側しかない。ほかの客も席を狙っていたが、地元客風の向かいに座って待機しているのだから敵わない。長距離客(18きっぷ)と地元客を見分けられれば、途中から空席にありつける可能性も高い。元の席のボックスは一人に戻った。暫くして落ち着いたからか、景色がよくなったからか、「かにめし」の折を開いて食べ始めた。この先のニセコにはスキーをしに来たことがある。国鉄色の気動車の車窓から見た降りしきる雪は忘れられない。今ではニセコはオーストラリア人に人気のエリアだという。夏だからか、それらしい人は見かけない。倶知安で暫く停車。後志支庁所在地。ここも北海道新幹線の駅が出来る予定。
函館本線 普通 2937D列車 [キハ150形車両] (倶知安)
倶知安を出発。冬の倶知安峠で雪の中に車で突っ込んだのを思い出す。鉄道はトンネルで峠を越える。そして小沢へ到着。初めての北海道でSLの写真を撮りに来て、切符を落してしまったのを思い出す。その後、小沢から千歳空港(現在の南千歳)へ18きっぷで移動し、初めて飛行機に乗ったのも思い出す。その時あった小沢駅舎がない。駅員もいたのに。無人駅にある簡素な駅舎に変わっている。プラットフォームと跨線橋は昔を偲ばせている。20年という歳月を思い知らされる。ニッカウヰスキーのある余市から幼稚園(保育園)児が沢山乗ってきた。車内が賑やかになる。また余市といえば宇宙飛行士の毛利衛さんである。列車から海が見えてきた。海岸線は絶景である。曇っていて羊蹄山も何も見えなかったが、最後にいい車窓を見られて終着の小樽に到着した。 (つづく)
終着の小樽に到着! (小樽)
いずれも平成20年7月22日撮影