旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

ジニの食堂

2025-03-03 23:55:00 | たべる

舊助羅港 (慶尚南道巨濟市一運面舊助羅里)

西紀2025年2月20日木曜日。慶尚南道巨濟市の舊助羅港に来ている。



ここ最近見たような風景である。


そして、腹が減った…

店を探そう。


このお店は…

茶番はこれくらいにして、今年1月10日より公開の『劇映画 孤独のグルメ』のロケ地にやって来た。ネタバレになるといけないので話の筋は書かないが、それでもという方はこの記事は見ずに先に映画をご覧下さい。ロケされてお店がどこにあるのか調べてみると公共交通機関だけで行けそうである。しかしバスについて調べようにもハングルでよく判らない。大手検索サイトの地図に表示されるバス路線を頼りに、乗り換え場所の地名だけ叩き込んでやって来た。バスの本数は多そうなので問題ないだろう。沙上古縣舊助羅の地名だけで何とかなった。さて時刻は12時台なのだがお店はひっそりしている。もしやお休みではと思ったが、扉を開けて声を掛けるとお店の方が応対してくれた。営業しているようだ。日本語は通じないようだが「映画のお店ですね」と言って靴を脱いでお店に上がる。他の客はいない。孤独のグルメである。正式に入国したから食べ終わるのを待つ人もいない。


ゴロウさんの座っていた席へ

座布団を敷いて座る。実に落ち着く。異国にいる事を忘れてしまう。


メニューはハングル表記のみ

異国にいる事を思い出す。メニューは読めないけど映画と同じものを注文するのに「ファンテ」というと通じた。27年前に料理名だけでも判るようにしようと思ってハングルの読みを覚えようとしたが結局そのままとなった。しかし麥酒(麦酒)は読める。実は船酔いの影響で胃の方はまだ本調子ではないが、無事に目的のお店を訪問出来た事を祝して注文する。


ロケの時の写真かな


お水が来ました


맥주 麥酒(₩4,000)

HiteのコップにCassビール。アサヒのコップで麒麟麦酒を飲むかの如し。小さな食堂感があって実にいい。ここでも王冠をコンコンして開栓する。麦酒瓶が透明なのが気になる。


いただきます♪

沢山の小皿料理をアテに麦酒を飲む。どれもこれも実に旨い。白キムチは久しぶりに食べた。入国後に初めて口にする料理がこれらである。飲み物もここへ来るまでは日本から持参の水とお茶のみだったので、入国後初めて麦酒を飲んだ。


황태해장국 ファンテヘジャンクク(₩8,000)

ご飯と料理が運ばれてきた。


湯気が立ちレンズが曇るのでフーフーして撮影する



干しダラのスープで、玉子、豆もやし、葱、玉葱などが入っているのか。知らんけど。


干しダラ

二日酔いの時に飲むスープという事だったが、船酔いの後にも最適であった。他の客はいないし、お店の人も奥におられるから飯椀を持ってご飯を食べても構わないだろうが、ある程度ご飯が減ったらスープの中に投入する。小皿料理からも適当なものを投入して雑炊のように匙ですくって食う。年配のおかみさんが時々出てきてはキムチなどの小皿やご飯のおかわりはどうか気にかけてくれる。実に温かいお店である。今日は船酔いの影響もあるのでおかわり無しでいい。おかわりを断りつつも小皿も含めて完食した。当地のおもてなしの流儀からするとおかわりを出さず完食されるのはよくないのかも知れないが、こちらの残さず食べたいという希望を通させてもらった。いいお昼ごはんだった。ごちそうさまでした。「美味しい」と「ありがとう」ぐらいしか知っている言葉はないが気持ちは伝わったと思いたい。今日は映画のメニューを選んだが、船酔いがなければもっと海鮮を食べたい。


진이네식당 ジニの食堂 (慶尚南道巨濟市一運面舊助羅里)


映画のポスターが


店頭で魚を干している

それをゴロウさんが見ているような配置で。映画の日本公開は1月10日だったが、当地では3月19日公開というので、それまでにお店を訪れてみたのだ。平日とはいえ貸切となるとは思わなかった。



【釜山驛から舊助羅への交通手段】

釜山都市鉄道 釜山交通公社 1號線(地下鉄) 釜山驛 ➡ 西面
釜山都市鉄道 釜山交通公社 2號線(地下鉄) 西面 ➡ 沙上
◆IC運賃 ₩ 1,800.
慶原旅客 高速バス 釜山西部バスターミナル(沙上) ➡ 古縣バスターミナル (巨濟)
◆運賃 ₩ 9,000.
世日交通 4000番 古縣バスターミナル ➡ 舊助羅・水晶
◆運賃 ₩ 1,500.


遊覧船の出る観光地できれいなお手洗いも設置してある

麦酒を飲んでお手洗いが近くなっても大丈夫。




舊助羅の終点のバス停、수정 水晶

수정の漢字が判らなかったが、近くの山の名前から水晶でいいと思う。間違えていても悪しからず。帰りのバスの時間が判らないが、取り合えず舊助羅の集落が望める場所に行ってみる。


狭い路地を抜けて…

他人の家の裏や畑の側を通る。登り坂に息が切れる。


規模は違うが、函館のような陸繋島に見える


舊助羅海水浴場


舊助羅港








舊助羅鎭城という山城への途中、天道虫のベンチで引き返す





バス停には時刻表も運賃表もない。二次元コードを読み取れば何か判るのかも知れないが、そのような代物は持ち合わせていない。あったとしてもハングルが読めない。


魚市場かな










世日交通 22番 古縣バスターミナル行き (舊助羅・水晶)

電気バスがやって来て折り返す。トロリーバスには桑港と黒部で乗った事があるが、架線から集電しない電気バスは初めて。バスに乗り読取部にTmoneyをタッチする。始発から乗ったのは自分だけ。



始発から乗ったけど、次の停留所の方がジニの食堂さんに近い。バス停名にはやはり수정(水晶)とある。大して離れてないのでどちらで乗り降りしても構わない。


お店の前を通り過ぎる…


車窓の海が素晴らしい



映画を見るまで巨濟島の事は知らなかったが、また観光で訪れて見たくなった。映画を見なければメニューがハングルのみの食堂に入る事も無かったろう。おかげ様でいい旅が出来ている。帰りのバスも途中の停留所からの乗車で混み合ってきた。往路が4000番、復路が22番で系統が違うが、22番は自動車専用道路に入らずに細かくお客さんを拾ってゆく。所要時間は伸びるが運賃は少し安い。ウトウトするうちに終着の古縣バスターミナルに到着。降車口の読取部にTmoneyをタッチして下車。


世日交通 22番 (古縣バスターミナル)

世日交通 22番 舊助羅・水晶(13:54頃)→古縣バスターミナル(14:49頃) 運賃1,450ウォン


巨濟島の地図


路線図はあるがハングルのみでハードルが高い… いずれも西紀2025年2月20日撮影

それでは釜山に戻る。 (つづく)