旅の目的の一つに食があるので、その食をいかに日程の中に取り入れるかは旅の楽しさを左右する。中にはグルメ旅行と称して食を主目的とする旅があるが、これはむしろ単純であろう。全てに優先して「食の日程」を組めばよいのだから。
ところが一般の旅は欲張りだ。名所旧跡も見たい、文化、生活にも触れたい、買い物もしたい、美味しいものも食べたい、と言うわけだ。限られた日程のツアーともなれば、それらを如何に組み合わせるかが旅行会社の腕となる。
今回のツアーは三食すべてついていて、時間的には極めてムダのない日程であった。トルコの有名どころ(と言っても西半分だが)を実質6日間で見せるにはこのようになるのだろう。金銭的にみても参加者には経済的である。
しかし反面、それだけ単純な食事とならざるを得ない。もちろん工夫はされており、昼食は毎回トルコ料理の代表的なものを選んでくれた。(前半はそれがやや貧弱で、既述のように不評の要因となったのであるが)
ただ、夕食は最後のベリーダンス晩餐会以外は,全て宿泊ホテルのバイキングであったので、何となく単純に思えた。私などは、目の悪いこともあって、何がどこにあるのかもよく分からず、毎日同じものを食っていた感じだ。
写真はアンタルヤのシェラトンホテルの夕食の一部だが、寿司も含めて日本で食べているようなものばかりだ。本来はトルコまで行って寿司をとることもなく、トルコらしいケバブとかキョフテ、ドルマの類を食べるべきであろうが、それがどこにあるのか分からない。結局、日本でいつも食べているようなもので終わる。パンとチーズは美味しく、毎日食べて飽きることは無かったが。
食の満足を得るには、やはり町に出かけ屋台をつまみ食いするとか、レストランに入ってメニューを指差しながら食べたいものを注文するしかない。トルコ語は分からないので、私は写真入の一覧表を用意してその場に備えていたのであるが、ついにそれを使う機会は無かった。
一晩か二晩は「自由行動食事の日」が欲しかった。まあしかし、それも贅沢と言うものだろう。現地滞在6日間、三食付で239,900円、極めてコンパクトにまとめた「とっておき まんぞくトルコ周遊8」ツアーに、私は言葉通り満足したのであった。